こんにちは。ジェイグラブの横川です。
日本では生産年齢人口の減少、少子高齢化などが影響し、物価高・給与横ばい・負担増ということで明るい話題が見えません(人口分布図が常に頭にあれば、3~40年前からわかってたことですが)。
しかし、暗いのは日本だけではなく、世界中がどんよりムードです(先日のブログで、アメリカもインフレの影響で失われた時代に突入してしまうのでは?という記事を紹介しています)。
にもかかわらず、海外のEC事業者の景況感は明るく、投資も効果的なところに積極的になっている様子がわかりました(石橋を数年間叩き続けてようやく半歩前に出るといった具合の日本企業の動き方を鑑みると、これでますます日本の一人負けが続きそうな嫌な予感がします・・・)。
EC業者の3分の2以上が、23年の最優先課題は新規顧客の獲得と回答
eコマース小売業者の70%が、2023年の最優先課題はより多くの顧客を獲得することであると回答し、質問した小売業者の58%が、その実現のためにさらなる投資を検討すると答えています。小売業者の成長については、回答者の66%が今年人員増を検討していると回答しています。
ヴァーヴォントによる詳細な調査で、今後1年間の市場心理は幅広くポジティブであることが明らかになりました。
今後12ヶ月間についてどの程度楽観的であるかを1~10のスケールで尋ねたところ、回答者の大多数が7/10以上と答え、34%が7/10、30%が8/10と回答しています。
この結果は、現在、経済に対する懸念や潜在的な景気後退が迫っているにもかかわらず、小売業者が昨年の業績をどの程度成功させたかという点で、非常に近いスコアとなりました。大多数のブランドが2022年の成功度を7/10(30%)とし、19%が8/10、さらに19%が昨年を9/10と採点しています。
ヴァーヴォントのディレクター兼共同設立者であるポール・ロジャースは、「eコマース事業者の大半が、2023年の最優先事項として新規顧客の獲得を検討していること、また新規雇用を検討していることは、業界にとってプラスであり、いずれもビジネスの成長に関してまだ自信があることを示しています。」と語った。
2023年の最優先事項として新規顧客の獲得が挙げられた後、小売業者は、コンバージョン率の向上(40%)、新しい国際市場への参入(21%)、販売コストと収益性の向上(19%)、顧客のライフタイムバリューの向上(19%)とも答えています。
今年、どの分野にもっと投資するかという具体的な質問に対しては、小売業者は、新規顧客獲得(58%)、有料検索とソーシャル(27%): CRM(22%)、データ、分析、洞察(21%)、テクノロジースタック(19%)を列挙しています。
今年、投資を減らす分野は何かという質問に対して、小売業者の39%がテレビ広告と答え、次いで家庭外広告(33%)、テクノロジースタック(31%)、有料検索とソーシャル(22%)、アフィリエイトマーケティング(15%)となっています。
参考:More than two thirds of ecommerce retailers say their top 2023 priority is acquiring new customers
おわりに
新規顧客といえば、オフライン専門だった人をいかにオンラインで購入させるかという課題がありますが、それはコロナ禍になってある程度は達成したと思います(オンラインに移行せざるを得なくなったから)。
そこで、ポストコロナの新規顧客は、コロナ禍にオンラインデビューし、オンラインに慣れたユーザーを今度はいかに自社サイトに連れてくるかというフェーズなのかもしれません(不慣れな人は、おっかなびっくりやっているので、一回使って大丈夫だったと感じるところをずっと使い続ける傾向があります)。
そして印象的なのが「新しい国際市場への参入(21%)」です。日本の企業は始める前からどこの国にすべきかということを、机の上でああでもないこうでもないと長い時間かけてやりますが、海外の企業はまずやって様子を見てみると言う方法が目立ちます。この差が勝敗を大きく分けてしまうんですね。
釣りで例えれば、多摩川の流れを把握し、ベストな時間帯を把握し、ベストポジションを理解し、パーフェクトな釣りをすることができても、その知識はアマゾン川やナイル川では通用しません。
やりながら血肉化していくしか結局はありません。以前のブログで書いていますが、重箱の隅をつつく細かいことに気の付く人が、日本ではなぜか仕事できる人的な評価をされますが、そういう人が越境ECの担当になった企業ほど悲劇はないと思います。