GZNewsによると、eBayで日本から販売される商品の世界シェアは、北米が6割近くを占める今、近年成長しているのがオーストラリア向け市場といわれています。
特にカメラ関連は米国サイト(ebay.com)よりもオーストラリアのサイト(ebay.com.au)が人気の高いカテゴリーで、2023年の取引額では1位にフィルムカメラ、2位にレンズとTOP2を占めたほか、デジタルカメラも米国サイトの10位よりも高い7位にランクインしています。
最近メキメキと購入者が増えているオーストラリアへ、現在利用中のeBay.comアカウントからも出品は可能なのでしょうか。
オーストラリアだけでなく、他の国にも出品はできるのでしょうか。
答えは、可能です。
今日は、無料で使えるeBayの多国出品ツール「eBaymag」について徹底解説します!
他国ドメインeBayサイトへの出品は可能?購入もできる?
現在eBayがカバーしている国は30か国あります。
Amazonは来年南アが加われば、21か国目の国別ドメインECサイトとなるので、eBayの方がAmazonよりも世界シェア率は高いです。
eBayでは、他国ドメインのeBayサイトの商品も購入することは可能です。
ただし、他国ドメインのeBayサイトから出品されている商品は、自国ドメインのeBayサイトから出品されている商品の後に表示される仕組みになっているので、パッと目につく上位には表示されません。
消費者の購入心理を考えると、価格やレビューなどによりけりではありますが、やはり上位にきたものから目につきます。
上位に表示された商品の方が一般的に買われやすく有利です。
できるだけ目につく上位に商品を表示させたい場合、本来ならば販売対象としたい国のeBayのアカウントを新たに作って商品を出品し直し、なんなら言語も翻訳し直さなければなりません。
でも、実際の運用ではそれだけではなく、eBay.comと他国ドメインのeBayで重複出品にならないように、eBay.comでは他国ドメインに該当する国を発送除外国にして、他国ドメインの国のeBayではその国以外の国を発送除外国に設定しなければなりません。
また、商品が売れた場合は、もう一方のeBayから出品を取り下げなければならず、商品を複数出品している場合は管理がかなりややこしくなります。
それはさすがに面倒…。
eBay.comで出品した商品を、他の国のeBayにも簡単に出品・管理したい!それを可能にしたサービスがeBaymagなのです。
eBaymagとは? ~eBaymagでできること~
eBaymagとは、無料で使えるeBayの多国出品ツールです。
既にお持ちのUSアカウントのままで、eBay.comを含む最大8つのeBayサイト(イギリス(UK)、オーストラリア(AU)、カナダ(CA)、ドイツ(DE)、フランス(FR)、スペイン(ES)、イタリア(IT))に自動翻訳して出品が可能で(※1)、各国のeBayサイトに個別に出品する必要がなく、1回の出品で簡単に他国eBayサイトに同時出品および販売管理ができます。
USアカウントのままで、アメリカ以外の各国サイトにも販売拡大ができますので、各サイトへの露出が高まります。
より売上アップを目指すことができ、実際に、eBaymagの利用で売上が30%もアップしたという実績があります。
※1:Buy it now出品のみ利用可能。オークション出品は利用不可。
eBaymagの利用条件
eBaymagを利用するにあたって、いくつか条件があります。
①アカウントタイプによって「無料出品枠」が異なる。
ご利用のアカウントがパーソナル(Private)アカウントかビジネスアカウントかによって、eBaymagで無料出品できる国が異なります。
パーソナルアカウントでは、USアカウントからUK、DE、AU、CA、IT、FR、ESの7か国が無料出品枠ですが、ビジネスアカウントではCAとAUのみ無料、その他の国への出品には出品手数料が発生します。
また、ストア契約の契約内容によって、各国で出品できる数量が異なるので、こちらも要チェックです。
eBaymagではストア契約の契約内容に沿って無料で出品できる数量が決まっていますが、設定変更をして出品手数料を支払えば制限以上の数量を出品することも可能です。
②リミットは、全eBayの出品の合計分が必要。
eBay.comでは、販売者に対して毎月商品の出品数・出品額の上限(リミット)が存在します。
eBaymagではこのリミット内で商品を出品することが可能です。
例えば、eBay.comに100品/$30,000の出品をしている場合、eBaymagで追加した国(例:DE、UK、AU、CAの4カ国を追加したとします)にも出品したい場合は、100品×5カ国分=500品、$30,000×5カ国分=$150,000のSelling limitsが必要になります。
もしリミットがこれに達していない場合は、eBaymagで追加する国数を減らすか、もしくはeBayに交渉してリミットを増やしてもらう必要があります。
なお、Selling Limits消費状況はSeller Hub Overviewタブ内Monthly Limitsで確認することができます。
③eBaymagの利用料は無料。だけど…
eBaymagを利用すること自体は無料です。
ただし、eBayではそもそも「通貨換算手数料」が3%かかることをお忘れなく。
例えば、eBay.esで売れた場合、その売上はユーロ(€)でまずは入金されeBayでUSドル($)に換算されます。その後その売上がPayoneerに移動するのですが、€からUSDに換算される時に「通貨換算手数料」3%が発生します。
えー!やっぱり無料じゃないのか!…とがっかりしてしまうところですが、eBaymagでは「Price correction」機能で各国の出品価格をeBay.comへの出品価格を元に「+」「-」を%で調整することが可能です。
通貨換算手数料が発生する国への商品の価格を予め3%上乗せで価格設定することができますので、他国へ販売する際にはぜひ利用したい機能です。
もちろん、eBay.comでの通常設定価格(0%設定)のままでもOKです。
eBaymag利用上の注意 ~フランスEPR法とドイツ梱包法への対応~
ご利用のアカウントタイプがビジネスアカウントの場合は、フランスEPR法とドイツ梱包法への対応が必要になってくる場合があります。
①フランスEPR(拡大生産者責任)法
対象となるのはeBayのビジネスアカウントセラーが販売する「新品」商品です。
出品する商品が新品商品の場合、EPR法への対応ができていない場合は、eBay.comではフランスを対象除外国に設定すること、eBaymag経由でeBay.frからフランスへ出品しないことをeBayでは薦めています。
ただし、中古商品の場合は、EPR法への対応は必要ありませんので、フランスへの出品は可能です。
②ドイツ梱包法
2022年7月1日から、パッケージ商品をドイツの購入者へ販売する場合は、この法律の要件に従う必要があります。
ビジネスアカウントのセラーがドイツに出品する場合には、LUCIDへの登録と、eBay.com内にLUCID番号の登録が必須です。
LUCID番号を取得しているセラーは、eBay.comからドイツへの出品と、eBaymag経由でのeBay.deへの出品は可能ですが、LUCID番号を取得していない場合は、ドイツへの発送除外設定をおこなう必要があり、eBaymag経由でのeBay.deへの出品もNGです。
パーソナルアカウントのセラーは、フランスEPR法とドイツ梱包法に対応する必要はありません。(新品商品、中古商品どちらも対象)eBay.comからフランス、ドイツへの出品は可能なのですが、eBaymagからeBay.frとeBay.deへの出品は不可となるため、ご注意ください。
eBaymagを使ってみよう!
さて、肝心のeBaymagの設定方法ですが、これについてはeBayサイト、もしくはeBay公式Youtubeチャンネル等で画像付きで見ることができます。
ぜひ参考にしてみてください。
※この文章は弊社EU担当の渡部による寄稿です。