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越境ECブログ

需要の高い日本の商品はこれだ!@スペイン(1/4)

はじめまして。

この度、スペイン特派員となりました渡部です。

スペイン在住9年目。スペインを軸にEUの現地ならではの情報を、皆さんにご提供できればと思っています。どうぞよろしくお願いします!

情報発信第1弾として、今回はスペインでよく購入される日本の商品について、シリーズでお伝えしていきます。

今後の皆さんのECビジネスの参考になれば幸いです。


日本をイメージするもの…、それは今やアニメ・マンガ・ゲーム!

スペインをはじめ、EU各国で、「日本といえば?」と質問したら、今やアニメマンガ、そしてゲームと答える人が多いのではないかと思います。

アラフォー世代の私からしてみれば「家電メーカーも有名なはず!」と、声を大にして言いたいところですが、先日、30代前半のスペイン人女性に「HITACHI?Panasonic?知らない…。」と言われてしまいました。トホホ…。

EUでの海外家電メーカーは、安価な上にデザインや機能も充実した韓国製品や中国製品にすでに取って代わられてしまった印象です。

そういえば、実はここ2年ほどの間に、EUではアニメやマンガ業界にも、韓国や中国の作品が進出してきています。

しかし、日本にはまだまだ及ばず…と、楽観視したいところですが、ところが!アメリカのストリーミングプラットフォーム、Crunchyrollの2021年1月の記事によれば、2020年にヨーロッパで最も見られたアニメ上位5作品のうち、2作品が韓国のアニメだったというから驚きです。(もちろん他3作品はMade in JAPAN。)

日本のアニメの海外市場はいまや1兆円越え市場

AJA(一般社団法人日本動画協会)が発表している「アニメ産業レポート」2019年度版と2021年度版を比較すると、今や1兆円市場にまで成長した日本のアニメの海外市場が、パンデミック前には、2019年4月に施行された中国の日本作品参入制限規制などのマイナス要因の影響で、一旦はその成長がストップしかけたものの、2020年にはついに、国内市場と海外市場の売上が逆転。

2020年の海外での売上は1兆2394億円と、前年比103.2%成長し、再び市場が動き始めたようです。

また、このレポートで注目すべきは、欧州がここ2年ほどで一気に日本のアニメの契約数が伸びている点です。

ですが、国別契約数を見ると、2021年度時点では欧州はまだ上位に入っていません。

スペイン含むEUでは、昨今のデジタル規制の強化をはじめ、子供たちの道徳や倫理観を守る規制が厳しいという難点もありますし、実際にスペインで暮らしていて感じることとしては、アニメは小さい子供が見るものという感覚がまだ根強い風潮もあります。

しかし、これらの点を打破できれば、日本のアニメやマンガ市場はますます伸びるのではないかと思います。

若者を中心とした日本人気

EUの規制については、遵守せざるを得ません。

でも、アニメは小さい子供だけのものという風潮を打破する突破口は、若者たちのOTAKU文化にあると、私は睨んでいます。

幼少期を「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」、「ドラゴンボール」をテレビで毎日見て育ち、そこから日本のアニメやマンガ、ゲームにのめり込んだ10代、20代、30代は、自らをOTAKUと呼びます。

(スペインでもOTAKUという言葉は、特に若者たちの間で浸透しています。)

今、彼らによってスペインのマーケットが少しずつ変化している気がします。

例えば、アメコミや映画のグッズを取り扱っていた店では、現在では日本のアニメやマンガ関連グッズのコーナーも設けられ、数年前まで見かけなかった「バンダイ」や「KOTOBUKIYA」、「海洋堂」などの日本のメーカーのロゴが入った商品を、最近はよく目にするようになってきました。

また、スペインでは2017年からユニクロがオープンしたのですが、人気はUTブランドのプリントTシャツ。

アニメやゲームのプリントTシャツは、オンラインショップでもすぐSOLD OUTになってしまう人気商品です。

おそらくユニクロのスペイン進出と、若者を中心とした本格的なOTAKU文化の浸透が影響を及ぼしたと思えるのが、スペインの若者向けファストファッションの2大アパレルブランド、Pull&Bear(プルアンドベア)とBershka(ベルシュカ)です。

スペイン版OTAKUサイトによると、実はPull&Bearでは少なくとも2011年から、Bershkaでは2012年からすでに「Dr.スランプ」や「キャプテン翼」などを採用したアイテムを販売していました。

しかし同サイトではそれから数年の沈黙の後、2019年から今年にかけて、再び急激に新アイテム発売を伝える記事が増えています。

また、これらスペイン発アパレルブランドの商品で、日本人の私が個人的に興味深いのは、日本語の文字が多くプリントされていることです。

日本語の文字(ひらがな、カタカナ、漢字)が、若者たちにとってはクールなデザインと思われている節も見逃せません。

このように、スペインでは今、若者たちのOTAKU文化のおかげで、日本のアニメやマンガに関するマーケットが拡大されつつあると見てよいでしょう。

※引用:ANIME NEWS NETWORK
https://www.animenewsnetwork.com/interest/2021-01-15/crunchyroll-reveals-most-watched-anime-of-2020-by-region/.168432
※引用:AJA 一般社団法人 日本動画協会
https://aja.gr.jp/jigyou/chousa/sangyo_toukei
「アニメ産業レポート2019」、「アニメ産業レポート2021」のサマリーより。

※文中「スペイン版OTAKUサイト」
・(RP2) Ramen Para Dos
https://ramenparados.com/
・MISION TOKYO
http://www.misiontokyo.com/

さいごに

このシリーズは4回シリーズですので、毎週金曜日に報告いたします。次回もお楽しみに!

※撮影:渡部幸子 撮影場所:バレンシア市内

 

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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