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ペイパル(PayPal)、ピンタレストの買収を断念

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

国内では昨日あたりからちらほらニュースになってきた、ペイパルがピンタレストを買収か?というニュースですが、ニューヨーク・タイムズの記事によると、その買収は断念したとペイパルが発表したということを伝えています。

その記事を紹介し、最後にこの動きについて少し書きたいと思います。

ペイパル、ピンタレストを追いかけるのに興味はないと話す

デジタル決済大手のペイパル(PayPal)は、ソーシャルメディアネットワークであるピンタレスト(Pinterest)の買収に興味がないと日曜日の深夜に発表し、過去10年間で最大規模の消費者インターネットの買収となったかもしれない450億ドルの取引の検討を終えました。

ペイパルは、簡潔な声明の中で、「現時点ではピンタレストの買収を検討していない」と述べています。

買収が実現すれば、2015年にイーベイ(eBay)から分離独立して以来、ペイパルにとって過去最大規模の買収となり、eコマースにおける同社の存在感を高めることができたはずです。

ピンタレストは、4億5,400万人のユーザーが、画像やリンクを自分のオンライン・ピンボードにピン留めし、「バイアブル・ピン(買い物可能なピン画像)」と呼ばれるピンした画像を通じて直接商品を購入できることで知られています。

ピンタレストは、オンラインショッピングではなく、主に広告で収益を上げています。

協議に詳しい関係者によると、ペイパルはピンタレストの株式1株に対して70ドルを提示していたとのことで、先週、協議のニュースが出る前にデジタル・ピンボードの株価が取引されていたことを考えると、25%のプレミアムとなります。

買収の可能性に対する投資家の反応はさまざまでした。このニュースを受けて、ピンタレストの株価は急上昇しましたが、ペイパルの株価は大幅に下落しました。

ピンタレストは、パンデミックの影響でオンラインショッピングが急増したため、2020年には収益が約50%増加するなど、昨年から好調な業績を上げています。

しかし、一部のアナリストは買収の論理を疑問視しており、今回の交渉は、ペイパルの中核事業であるデジタル決済事業の競争激化に伴うペイパルの苦境を浮き彫りにしていると指摘しています。

参考:5PayPal says it isn’t interested in pursuing Pinterest.

さいごに

ピンタレストはこの記事にあるように、新型コロナの影響もあって、急成長しました。

アメリカでは特に女性ユーザーが多いことが知られており、(あまり海外で女性が男性がとことさら強調するのは良くないですが)女性向けのアイテムを取り扱う事業には向いていることをこのブログでは数年前から主張していました。

また、ピンタレストは日本にもカントリー・マネージャーを指名したというニュースも先月あり、日本に対してもかなり本気であることが伺えます。

一方ペイパルですが、ペイパルは20年以上前から存在するデジタル決済のパイオニア的存在で、楽天銀行の前身のイーバンクがこのビジネスモデルを真似ようとしたくらいです(当時の金融庁の許可が降りず、イーバンクは断念しますが)。

デジタル決済分野では先行者でもあるので、比較的安泰かと思いきや、ニューヨーク・タイムズによれば、競争激化で苦しいとのことですね。

しかし、それはともかく、ペイパルといえば、テスラやスペースXの代表である、イーロン・マスクの出身企業だったりと、彼に限らず、ペイパルは成功した経営者を多く輩出し、そうした人達を「ペイパル・マフィア」というほどです。

ペイパルは2年くらい前から、eコマースで有望と思える企業の買収を結構行っており、個人的には注目していました。いまのところ、腐ってもペイパルみたいなところはあるので、ペイパルが食指を動かした先は注目していいと思っています。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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