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越境ECブログ

A/Bテストでうまくいく会社、失敗する会社

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

電球交換に関する有名なブラックジョークがあります。1個の電球を取り替えるのに何人必要かというエスニックジョークです。色んなバリエーションがあるのですが、よく言われるのはイギリス人なら2人(「一人が作業、一人が支える」か「召使いが作業、当人はゆっくりティータイム」)、ロシア人なら2人(「一人が作業、もう一人は監視」)、イタリア人は3人(「当人は恋人とデート、親が作業」)、タイ人は0人(「放置するから」)などなどです。

日本人はこんなふうに馬鹿にされます。
日本人は11人(「電球1個取り替えるのに上司の許可が必要で、上長の上長の上長の許可を・・・となるから」か、「電球1個取り替えるのに10人呼んで不毛な会議を始めるから」)などがあります。

うまいジョークだと私は思ってしまいますが、このジョークにまんま当てはまってしまい、苦笑いしたあなた、あなたの企業は、残念ながら世界と戦える企業とは言えません。越境ECを始めてもたぶん失敗する確率のが高いです。決断が遅いからです。日本企業がチンタラチンタラやっている間に海外企業は早いスピードで決断を下し、動いてしまうからです。ネットでは早く認知させたほうが強いので、出足が遅いというのは、もうそれだけで不利です。

でも、どうしたらいいか迷うことはあります。そんなときに調査や、データを誰かに求めたりして無駄に時間を費やすなら実際にテストしたほうが早いです。


A/Bテストは店舗を成功させるか失敗させるか

EコマースのA/Bテストは、どのデザイン、コンテンツ、機能が消費者に最も響くかを特定するものです。これは、ショップの長期的な成功のための重要な要素です。コンバージョンの増加、支出やリスクの削減を目指すなら、A/Bテストはその答えになるかもしれません。

しかし、テストは目先の売上を上げるだけではありません。Eメールのサインアップフォームやソーシャルシェアなど、販売以外のコール・トゥ・アクションのエンゲージメントを高めることもできます。ページ上のあらゆる要素がテストに適しています。

A/Bテストには2つのタイプがあり、「スプリットテスト」とも呼ばれています。

  • クライアント・サイド・テストは、全員に同じウェブページを表示しますが、訪問者が閲覧前に、訪問者のブラウザに変更を加えるスクリプトを挿入します。
  • サーバーサイド・テストは、ページや要素のネイティブバージョンを2つ作成し、訪問者にその外観をローテーションで表示します。サーバーサイド・テストは、ショッピングカート、ウェブサーバー、および分析に使用するサードパーティツールに依存します。

テスト方法は、変数と同じくらい重要です。アマゾンのレイアウトと機能性は、20年にわたるテストから生まれたものです。このメガストアでは、コンテンツを最も美しい方法で表示することはありません。これは、見た目が良いものが必ずしも最高のコンバージョンにつながるとは限らないことを教えてくれます。

どのようにテストするか

ここでは、ECの販売者がエンゲージメントとコンバージョンを促進するためにテストすべき多くの要素のいくつかを紹介します。

トップページのA/Bテストの例。左のフルワイドのスライダー画像バージョンと、右の部分的にビデオを挿入したバージョンで比較します。
  • コール・トゥ・アクション。A/Bテストにより、どのボタンが最も効果的か、どの色がより多くの訪問者にメールアドレスの入力を促すかを知ることができます。
  • トップページの「ヒーロー」セクション。スライドショー、ビデオ、写真のどれにスポットライトを当てるべきか迷っていますか?テストによって、より多くの訪問者の行動を促し、直帰率を低下させるのはどれか判断できます。
  • フォントと色。デザイナーはユーザビリティを重視し、どの書体、色、空白が最も効果的かを研究しています。しかし、A/Bテストによって、販売に最適なデザインが証明されます。
  • ソーシャルプルーフ。カスタマーレビューやお客様の声の配置や見た目は重要です。
  • 言葉の使い方。言葉の選択も見逃せません。ブランドの声は、消費者に企業やブランドの特徴を伝えます。
  • 404ページ。この恐ろしい「ページが見つかりません」というメッセージは、訪問者を即座に別の場所に向かわせる可能性があります。ページのバリエーションをテストし、訪問者をサイト内の代替案へ誘導しましょう。
  • チェックアウトプロセス。カート落ちを減らすには、必須項目や支払い方法など、消費者の苦痛を解決する必要があります。代替案をテストすることは、より多くの売上を達成するための理想的な方法です。

避けるべきミス

スプリットテストを正しく実施すれば、重大な問題を明らかにし、その解決に役立ちます。しかし、その実施は混乱することがあります。ここでは、避けるべき一般的な間違いを紹介します。

  • 計画の失敗。競合他社を研究し、最適なツールを見つけ、可変コピー、画像、または機能を準備する。
  • 変数が限られている。「A/B」という言葉に惑わされないでください。スプリットテストでは、2つのバリエーションだけでなく、多くのバリエーションを比較することができます。まずは12種類のページを作成し、そのうちの上位3種類を提示します。
  • テストの回数を制限する。テストは1回で終了するものではありません。今日うまくいっても、明日は失敗するかもしれません。消費者の変動が激しいため、スプリットテストは長期的な戦略であると言えます。
  • トラフィック不足。サンプル数が少ないと、不正確な結果が出る可能性があります。トラフィックが少ない店舗では、オンライン広告で訪問者を誘導することを検討してください。
  • 複数の機能を同時にテストする。小さな変更を1つずつテストしてください。何が効果的だったかを正確に把握するのはほぼ不可能なので、一度に複数のバリエーションをテストするのは避けましょう。
  • 分析の失敗。Google Analyticsなどですべてのテストに注釈をつけ、トレンドやニュースサイクルに照らし合わせて結果を研究しましょう。

効果

スプリットテストは、時間と手間がかかるものですが、その効果は絶大です。データに基づいた意思決定により、エンゲージメントとコンバージョンを劇的に向上させ、コストを削減することができます。

参考:A/B Testing Can Make or Break a Store


さいごに

セミナーでは必ずPDCAサイクルの話をします。
PDCAの説明や、やり方ではありません。仕事のどこに力をかけるかという話です。
日本企業はPとCにアクセント置きがちで、机上での作業に時間をかけすぎて、第3者が見て分かる行動になかなか移りません。「何かあったらどうしよう」が常にあり、髪の毛ほどの不安でも解消されないと前へ進まない、臆病風が常に吹いているケースが多いです。

一方、海外企業はDとAにアクセントを置きます。「やりながら考える」という姿勢です。日本企業がPやCで「あーでもないこーでもない」と言っている間に、もう海外企業は動いているのです。スピードが命のネットの世界では、この差は致命的です。

過日、お亡くなりになったオシム監督も「走りながら考えろ」と指導しました。これが世界の標準です。私がセミナーで「知識より意識」としつこく繰り返すのはこういうことです。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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