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越境ECブログ

ラマダンはECを加速させる

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

明日あたり、イスラム教のラマダンが終わります。
ラマダンは断食月をいい、約1ヶ月ほど断食をしますが、これは太陽が昇っている間だけ行うもので、日が暮れたら普通に食事をします。これは、食事にありつけない貧しい人に共感する、忍耐を体験し、信仰を篤くするという意味があるようです。イスラム暦の9月に行われ、これは毎年11日ずつずれていくので、夏至が重なると厳しいですし、冬至と重なると比較的楽になるのだと思います。

ラマダンの間は昼間は飲食しませんが、日が暮れると、イフタールという特別な食事をし、ラマダンそのものが明けたときは、イードというお祭りで大盛りあがりになります。今年のイードは今週末です。

私はムスリムの友人がおり、彼に基礎的なイスラム教のことは教わりました(お布施の考え方などはイスラム教の方のが日本のそれより非常にわかりやすいです)。そして、ラマダン中のモスクにも呼んでいただき、ムスリムでもないのにイフタールを頂いた経験があります(めちゃくちゃ美味しい)。

さて、将来の世界人口の4人に1人はムスリムになると言われる中で、無視できない市場となっていくイスラム圏ですが、ラマダン自体がECをブーストするという記事がありましたので、紹介致します。


ラマダンはインフレの中、送金とeコマース売上高を増加させる

全世界で20億人近いイスラム教徒が祝う聖なる月「ラマダン」が3月23日(木)に開幕しましました。そして、リア・マネー・トランスファーの英国法人によると、この月は送金や国際送金の繁忙期となるそうです。

実際、リアによると、2022年のホリデーシーズンには、他国の友人や家族への送金取引が16%以上急増し、例年見られる上昇傾向と一致しています。

そして今年も、特にムスリム人口が多い英国では、ムスリム評議会のデータによると、約400万人と全体の7%近くを占めると予想されています。

リア・マネー・トランスファーの英国およびアイルランド・カントリー・マネージャーであるホセ・アイバーズ・ロペスは、PYMNTSに電子メールで送った声明の中で、英国のイスラム教徒が多いことから、ラマダンは取引量だけでなく金額においても「送金にとって賑やかな時期」になると述べました。

アイヴァース・ロペス氏は、「人々は、宗教的な行事やお祝いに参加する手段として、何千マイルも離れた友人や家族にお金を送ることに熱心です」と付け加えました。

小売業の消費支出は33%急増

また、送金だけではありません。インフレ圧力や景気の不透明感が各市場にあるにもかかわらず、祝祭期間中の個人消費も急増すると予想されています。

MEリテール・ニュースによると、米国のマーケティング調査会社トルーナが実施した調査で、アラブ首長国連邦(UAE)の今年のラマダン期間中、化粧品、食料品、娯楽、旅行などの分野で、昨年と比較して消費者の買い物意欲が33%急増する見込みです。

また、ファッション、玩具、ゲームなどの分野では、オンラインショッピングに移行しており、調査参加者全員が宗教的な休暇期間中にこれらの商品をオンラインで購入する予定であることがわかりました。

回答者の39%がイード・ギフトにもっとお金を使うつもりだと答え、50%近くが、ほとんどの国で数年ぶりに規制なしで祝われるイードをより特別なものにするつもりであることがわかりました。

カルフールのようなブランドはこのトレンドに乗ろうとしており、先月、多国籍小売業者のUAE部門は、国際ブランドや自社のプライベートブランドから数千の商品を最大50%割引するラマダンキャンペーンを実施しました。

MEリテールニュースによると、「あらゆる体験を通じて優れた価値を提供するという当社の戦略に沿って、当社は過去6ヶ月間、幅広いサプライヤーネットワークと交渉し、6,000以上の商品の割引を確保するために熱心に取り組んできました」と、マジード・アル・フッタイト・リテールのカルフールの商業・運営責任者のクリストファー・オルセットは当時述べています。

参考:Ramadan Boosts Remittances and eCommerce Retail Sales Amid Inflation


おわりに

先週の今頃は仕事でカンボジアにおりました。カンボジアは仏教国なのですが、ホテルのテレビのチャンネルは60チャンネルくらいあり、色々つけてたら、日没後のメッカのカーバ神殿の様子を映しているチャンネルがありました。アラビア語は宗教用語をところどころ聞き取れる程度ですが、英訳の字幕がついており、イスラム教の本場の儀式に1時間くらい見入ってしまいました。

日本人は宗教に関する感覚が希薄なので、ECを行う際に宗教がらみで考える視点が欠落しているケースが多く、失敗するリスクもはらんでいますが、チャンスもみすみす見過ごしていたりと、世界的視野で見てるとつぐづく日本人はもったいないことをしているなぁと思ってしまいます^^;

なお、イスラム教と聞くと中東と考えるのは自然で、北アフリカ、インドネシア、マレーシアあたりも想定できますが、それ以上視野が広がらないのが、島の中で閉じこもっている日本人の残念なところです。実際には、ヨーロッパへ移民した人、イスラム教へ改宗した人などもおり、欧米ではイスラム教徒は増えています(実際、北米のムスリム向け専門店などもあります)。インターネットは境界線と時間を曖昧にするツールです。昭和の国際感覚は即座に捨てましょう。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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