こんにちは。ジェイグラブの横川です。
販売には色々なテクニックがあります。そのひとつに人間が誤解しやすいということを利用したものがあります。
騙すのではなく、そのように理解しやすいという心理を利用するのです。
例えば、これは海外の航空会社がやった実際にあった例ですが、
- 毎日抽選で1日1便だけ、無料にします。
- 毎日抽選で全便中一席だけ無料にします。
どちらのほうがお得でしょうか。
航空会社にとって負担が大きいのは、まるごと1便だけ無料にした場合の方です。航空会社の負担が大きいということは、乗客にとってはオトクであるといえます。
後者は航空会社的には前者より負担が小さいので、航空会社的には後者のほうがいいのです。そして、消費者はといえば、その多くが心理的に「無料になるチャンスが多く、自分が恩恵を受けられるかも」と思える後者のほうをお得に感じてしまうので、航空会社にとっては、大してお得でもない方法で消費者が歓迎してくれるので、願ったり叶ったりとなるのです。
今回はECでもそういった心理面で売上を左右するということを紹介します。
プライシングの心理学 Eコマースの売上を伸ばす方法
上から順に訳します。
WHEN LISTING A PRICE, CUT THE CLUTTER.
価格を表示するときは、雑然としたものをカットしましょう。コンマ以下や余分なゼロを削除すると、顧客が価格について感じる苦痛な反応が軽減されます。その結果、消費者はより快適に購入することができます。
UTILIZE THE LEFT-DIGIT EFFECT
左端の数字の効果を利用する。左端の数字は、アイテムの価格に対する私たちの認識に最も影響を与えます。これらのペンの価格差はわずか 1 セントですが、下のペンの方がはるかに安く感じます。
KEEP PRICE PLACEMENT LOW AND YOUR FONT SMALL
価格設定を低く保ち、フォントを小さくします。フォント サイズが小さく、タグの位置が低いため、下の値札は顧客にとって高価に感じにくくなります。
ENCOURAGE ‘VALUE SHOPPING OVER ‘BARGAIN SHOPPING
「バーゲン ショッピング」よりも「価値あるショッピング」を奨励しましょう。消費者は、より価値があると認識した商品を購入する可能性が高くなります。
DEPLOY THE ‘DECOY EFFECT’
「おとり効果」を展開してみましょう。より高価な 3 番目のオプションを追加することで、消費者の購入決定に影響を与えます。その結果、消費者にとってお得と感じる選択肢を好むようになり、本来販売したいと考えている製品を購入するように促せます。
参考:The Psychology of Pricing: How to Boost Ecommerce Sales
おわりに
このように、値段の付け方は為替の動き、コスト、送料を考えるだけでなく、心理面も利用するなど工夫が必要で、単純な話ではありません。なので、ネットは商品を出しておけば、あとは勝手に売れるようになるというような考えは通用しないのです。この年末年始はECの戦略策定と向き合ってみるのも良いかもしれませんね。