こんにちは。ジェイグラブの横川です。
新型コロナでオンライン購入にシフトしたのは周知の事実。そして、ワクチンや内服薬の普及で終息したとしても、ECの成長は減退より、むしろ現在の高い水準で横ばいだろうと予測されています。
そこで多くの事業者様が国内外ECを開始してきたわけですが、買い手の側、つまり消費者側はどのようにシフトしたのかという話を書いてきませんでした。そこで、今回消費者側がどのようにECにシフトし、シフトした先はどこなのかというデータを紹介いたします。
消費者の購買行動でオンライン・マーケットプレイスに移行していることが判明
消費者のeコマースとマーケットプレイスの嗜好に関する包括的な調査「2022年 オンラインマーケットプレイス導入の現状」から、消費者行動の重要なシフトが判明。
オンラインショッピングをする際、米国の消費者の65%がオンラインマーケットプレイスから購入することが多いと回答しています。
米国の「パワーショッパー(購入の大半をオンラインで行う人)」の4分の3は、お気に入りの小売業者がオンラインマーケットプレイスにアカウントを開設するこおとを望んでいます。
調査結果によると、迅速な配送、製品の品質と多様性、低価格化に対する消費者の期待の高まりを受けて、eコマースの状況は変化しています。調査対象となった世界中の消費者の3分の2は、オンラインマーケットプレイスでの取引を好み、70%はオンラインマーケットプレイスが最も便利なショッピング方法であると回答しています。また、「パワーショッパー」が、オンラインマーケットプレイスの普及をリードしていることも明らかになりました。
今回調査したMiraklの共同設立者兼共同CEO であるアドリアン・ヌッセンバウムは、「マーケットプレイスに対する消費者の嗜好に関するこの初のグローバル調査は、小売業者がポストパンデミック経済に向けて e コマース戦略を進化させる際に重要な洞察を提供しています。この調査結果は、消費者が、お気に入りの小売業者がサードパーティの販売者とオンラインマーケットプレイスを立ち上げることをより多く望んでいることを明確に示しています。今日の「常時接続」の小売経済において、消費者はオンライン・マーケットプレイスならではの競争力のある価格、豊富な品揃え、迅速な出荷を高く評価しています。さらに、この傾向は、小売業者にとって最も価値のあるツールとなっています。」と述べている。
米国の消費者はマーケットプレイスへシフト
調査によると、消費者のマーケットプレイスへの移行は決して一時的なものではないことがわかりました。新型コロナの大流行の初期から大躍進した後、マーケットプレイスの利用はeコマースを俯瞰した中でそのポジション不動のもとしています。2019年には、米国の消費者の47%が、マーケットプレイスだけで買い物をするか、マーケットプレイスで多くの買い物をすると答えていたのが、2020年に52%に上昇し、2021年には51%で安定しました。米国の調査回答者は、平均して、オンラインショッピングの43%が現在マーケットプレイスで行われており、40%が過去12カ月間にその活動が増加したと回答し、54%が従来の小売の選択肢が再開されたにもかかわらず、一貫して変わっていないと回答しています。今後については、米国の消費者の大多数(92%)が、マーケットプレイスを同じ割合かそれ以上で利用すると考えています。
大量に買い物をする “パワーショッパー “にとっては利便性が最も重要
調査によると、消費者は、単一の小売業者の商品のみを提供する従来のeコマースサイトよりも、マーケットプレイスの方が自分のニーズを満たすことができると考えています。また、米国の消費者の大多数(71%)は、オンラインマーケットプレイスが今日のショッピングにおいて最も便利な方法であると主張しています。
また、消費者のオンラインショッピングの頻度が高まるにつれて、消費者全体の支出に占めるマーケットプレイスの割合が高まっていることも報告されています。これは、週に1回以上オンラインで買い物をする「パワーショッパー」が利便性と信頼性の組み合わせで評価しているということです。米国のパワーショッパーの大多数(83%)は、オンラインマーケットプレイスが最も便利な買い物方法だと考えています。米国の平均的な消費者が43%ほどオンラインショッピングをしているなか、パワーショッパーは平均してオンラインショッピングの 50%以上をマーケットプレイスで行っています。また、米国の回答者の 4 分の 3 (75%) が、お気に入りの小売業者のオンラインマーケットプレイス開設を希望しています。
その他のキーとなる調査結果は以下の通りです。
サプライチェーンの問題はあるものの、迅速な配送が期待されている。
販売者のレビューが重要。米国の回答者のほとんど(59%)が購入前に販売者を調査し、72%がレビューを確認します。また、約半数の回答者(51%)は、その販売者が信頼する小売業者と提携している場合、購入する可能性が高くなります。
ほとんどの消費者は、しっかりとした大義・理由があるときに購入しています。米国の回答者の半数以上(56%)は、自分が関心を持つ社会問題と関連した製品を提供している企業でオンラインショッピングをする傾向があり、約10人に4人(38%)が、社会問題と関連した製品に、より高い価格を支払う傾向があるようです。
※調査方法
ミラークル社は、オーストラリア、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、シンガポール、スペイン、イギリス、アメリカの各1,000人、計9,000人のグローバル消費者を対象に、ショッピング習慣や嗜好に関する調査を実施しました。
参照:Mirakl Survey Proves Shoppers Are Moving Purchasing Power to Online Marketplaces
さいごに
日頃のセミナーで申し上げていることと結局同じなんですが、自社サイトだけではなかなか人が来ないし、コンバージョンレート(CVR)は上がらない。そのため、CVRを早くあげるには、消費者が購入の第一歩として、信用しているというマーケットプレイスを利用するのですから、そこにストアがある方が結果は出やすいですし、また認知度を上げるためにもマーケットプレイス併用は効果があります。
しかし、マーケットプレイスに頼り切るということは、マーケットプレイスの決定(例えば手数料値上げなど)に不満があっても従わないとならないという事態に陥る(殿様商売されても文句も言えない・環境の大激変で収益が落ちるリスク)。これを回避するには、やはり自社サイトも持っておくほうが得策。
裏を返せば、自社サイトの認知度向上に、マーケットプレイスとSNSを利用しまくるという言い方もできます。