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日本のイーベイ(eBay)セラーは、海外では「人に教えたくない良質な仕入先」

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

イーベイというと、C2CやB2Cのイメージが強いマーケットプレイスですが、実は1割くらいは取引実態がB2Bになっているケースがあります(実際、Wholesalers Lotsという卸売カテゴリーもあります)。

先週、東京ではギフトショーという、日本で最大級のコンベンションが行われていました。
日本の場合、
・コンベンション会場で会話をして名刺交換する
・後日資料を送ったり、メールや電話で打ち合わせの調整をする
・商談に入る
という流れがほとんどです。これは、日本の場合、バイヤーやマーチャンダイザーに最終的な決定権や決裁権限がない場合が多く、会場で得た情報を会社に伝えて許可を貰う必要が出てくるからです。

一方、海外では、バイヤーやマーチャンダイザーに決裁権限を与えているので、その人の裁量で、その場で購入の意思決定をします。「その人の裁量」とは、「その人の決定=会社の決定」ですから、会社へは事後報告以外ありません。そのために権限を与えているわけですから。(これが「日本企業は意思決定が遅い」と言われる最たる所以です。ノロノロしている間に外国企業に隙きを突かれてドカンとやられて泣きを見るというパターンです)。

そういったわけで、イーベイには決裁権限を与えられたプロのバイヤーやマーチャンダイザーが個人を装って商品探しをしているケースが多く、B2C取引をしたつもりが、いつのまにかB2Bに転換していたというケースが起こりえます(実際、私自身がその経験を2度ほどしています)。私が、セミナーで「イーベイでB2B狙いのB2Cという戦略もある」と話すのはそういう経験からです。

そして、今回紹介する記事のように、日本人セラーの丁寧な仕事ぶりは海外のバイヤーにとっては安心材料であり、人に教えたくない仕入先となっているようです。オリジナル記事はインタビュー形式なので、ここでは抜粋して要点だけまとめました。

中古デザイナーズ・バッグの販売者にとってイーベイの日本人セラーはわかる人にはわかる秘密

例えば、デザイナーズバッグが欲しいけれど、何千ドルものお金を持ち歩くことはできないとします。そこで、信頼できる本物の中古品を見つけるには、どこに行けばいいのでしょうか?

ウィンドウショッピングに少し時間を割くだけで、日本のイーベイセラーは文字通り何千ものデザイナーズバッグを再販しています。そして日本人セラーからなら、怪しげな中古品とは異なり、少なくともあなたが購入するものは事実上本物であることが保証されています。

マーク・フランクは、米国を拠点に20年近く衣料品の転売を続けている。過去5年間、彼は中古のデザイナーズバッグを探す際、日本のイーベイ出品者に頼ってきた。フランクはVICEに対し、「ある売り手のページを見てみると、1万個のバッグがあるんだ。別に安いバッグの秘密の入手先を教えているわけではないんだ。誰もが自分でこういうものを見つけられるし、見つけることができるはずなんだ。」

フランクはアメリカのリセール市場、特にDepopやPoshmarkなどのリセールプラットフォームで、偽物のデザイナーズバッグをよく見かけると言うのだ。

「米国の古着屋には本物のデザイナーズバッグがあるが、それほど多くはないし、頻繁にあるわけでもない。ティックトックなどで出品されているそれらの80%は本物の商品ではありません。」

日本が他と違うのは、すでに活況を呈している高級品市場と、偽ブランド品の販売に関する厳しい規制である。「日本は偽造品に対して非常に厳しい法律を持っています」とフランクは言う。「日本では違法薬物のようなものです。日本に拠点を置くアカウントであれば、自国の法律や規制が厳しいことを知りながら、偽物を販売しようとはしないでしょう。ただ、発送までの時間やプロフェッショナリズムなど、取引がうまくいくかどうかは疑問が残るところです。でも、もしあなたが見て気に入り、何かを買うことになれば、その商品は本物なのです」。

この戦略が注目されない理由の一つは、無知にある。製造技術が向上し、需要が高まるにつれ、本物そっくりの模倣品を生産することで世界的に有名な中国が、日本の再販市場に暗い影を落としているとフランクは考えている。

フランクは特にnext-innovationとbrandstreet.tokyoを評判の良い業者として推薦していました。

商品によっては、米国での転売よりも安いものもあるかもしれません。本当のメリットは、自分が何を買ったのかが分かることです。シミ、レザーの剥がれ、色あせ、縫い目のほつれ、ストラップの破れ、保管時のにおいなどには減点されます。だから、フランクは、返品無料の日本のeBayユーザーから購入することを勧めている。「私は何度か返品したことがあります。もしバッグを手にして、思っていたのと違ったら、「いらない」と思っても、プリンターと箱があれば送り返せるので、試さない手はないですよね」。

参考:Japanese eBay Sellers Are the IYKYK Secret for Designer Bag Resale

さいごに

オリジナル記事のタイトルにあるIYKYKはIf you know, you knowの頭文字を並べたもので、意味は「わかる人にはわかる」です。記事中のフランク氏も別に秘密の暴露をしているわけではありません。知らない人が損しているだけと言っています。

このように、日本人の仕事の仕方の丁寧さと、法規制の厳しさから、日本から発送されるものは間違いないという印象は海外の人に持たれているので、今は越境ECをやるのにチャンスでしょう。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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