こんにちは。ジェイグラブの横川です。
ジェイグラブ株式会社では、日頃のセミナーでもツートラックとか、複数チャネル戦略について話をしています。それは、株と一緒で、どれか一点に集中するのは当たればいいけど外れた時のリスクも大きいからです。また、現在の国際情勢を考えれば、経済安全保障という側面で考える必要もあります。
ソーシャルコマースとマルチプラットフォームeコマースのトレンド
小売業界のシンクタンクであるPSFKが最近実施した消費者調査とトレンド調査では、複数チャネルEC戦略の成功例として、自社以外のソーシャルコンテンツやソーシャルコマースでどのように顧客と関わり、取引しているのかを掘り下げて紹介しています。
この調査では、フェイスブックショップ、フェイスブックライブ、インスタグラムショッピング、TikTokショッピングなどのソーシャルコマースにマーケティング戦略や意識をを向ける必要があることが示されています。
ソーシャルコマースとは?
消費者がソーシャルメディア、動画ストリーミング、その他のデジタルチャネルに費やす時間が長くなるにつれ、ECサイトなどに費やす時間が短くなってきています。小売店は、ソーシャルコマース戦略を進化させ、ターゲットとなる消費者が利用しているソーシャル・プラットフォームで潜在顧客に出会い、望ましい顧客に語りかけるようメッセージを適応させるという課題を抱えていると同時に、そのチャンスにも恵まれているのです。ソーシャルコマース体験に投資することで、企業はこれらのソーシャルチャネルに適合するコンテンツを開発し、シームレスなソーシャルコマースのショッピング体験を実現する必要があるのです。
ソーシャルコマースの主要トレンド
ブランド・ファン・コミュニティ
ブランドや小売業者は、消費者の「クラブ」体験をキュレーションする際に、特定の趣味や関心に焦点を当てた、同じ志を持つコミュニティを利用しています。
インフルエンサー・ストアフロンツ
消費者がお気に入りのクリエイターを最初の発見、時には唯一の発見源としてますます注目するようになり、プラットフォームは独自のショッピング可能なストアフロントをキュレーションできるようなアフィリエイトプログラムを設計しています。
ライブストリームコネクション
消費者に、より大きな価値を提供し、参加を促し、さらには店頭への来店を促すために、小売業者はライブショッピングイベントに傾倒し、つながりや関与を促しています。
モバイルショッピングアシスタント
デジタル消費者は、デジタルショッピングアシスタント、モバイルおよびデスクトップのブラウザ拡張機能、AI対応のパーソナルショッピングサービスなど、その時々のタスクをこなし、特定のニーズを満たすためのサービスを求めるようになってきています。
ソーシャルコマースで消費者はどのように買い物をしているか
消費者は、ブランドや小売業者が、ソーシャルネットワークやエンターテイメント、ニュースを消費している場所と同じ場所関わりを求めています。ソーシャルメディアやニュースサイトで見つけた商品を、ブランドや小売業者のECサイトでクリックして購入する人は、米国のオンラインショッパーの33%に過ぎません。25%の潜在的な購買者は、ソーシャルメディア・プラットフォームやコンテンツ・サイトから離れずに商品を注文することを好み、13%はまだ店頭で商品を購入する気になるようです。
アジアではすでに広く利用されているライブストリーム販売は、欧米でも魅力的な小売ツールとして徐々に台頭してきています。米国の消費者の56%がライブストリームを利用してオンラインショッピングをしたことがあり、そのうちの31%がライブストリームのショッパブルコンテンツで見つけた商品を購入する可能性が高いと回答しています。
すべてのデジタルチェックアウトポイントで利便性を求めている消費者は、支払いの段階から障害を取り除く方法を見出しています。米国の消費者の29%は、ソーシャルコマースでの買い物の一環として、将来的にショッピングアシスタント(ボット)の利用を計画しています。
カスタマージャーニーの一環として、ソーシャルメディアユーザーは、フォーラムやその他のコミュニティスペースに参加し、製品についてより詳しく知るようになっています。調査によると、米国の消費者がお気に入りのブランドのオンライン・コミュニティに参加する場合、期待するエンゲージメントには、交換可能なクーポン(46%)、参加に対するトークンまたはデジタル資産の受け取り(買い物客の32%)、売り切れ前の製品へのアクセスの保証(32%)、ブランドの製品に関するプロモーション(28%)などがあります。
参考:Social Commerce & Multi-Platform eCommerce Trends
さいごに
仕入れも販売も日本国内だけで完結していたときは、海外事情は間接的にネタ的に知っていれば済む、受動的思考でよかったと思いますが、越境ECとなると、国際情勢について能動的に考えねばなりません。内と外は直結するのです。越境ECをやるときだけは感覚を国際感覚に変えてほしいといい続ける所以です。