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中国「独身の日」は、本当にすごかったのか?

こんにちは。 ジェイグラブの横川です。

先週、11月11日の独身の日(シングルズ・デー、ダブル・イレブン)がありました。今年は中国政府によるIT企業への規制強化や新しい個人情報保護法等の法規制もあり、注目していました。

そして、日本でも多くのマスメディアが表面的な報道を繰り返しておりました(これは毎年ですが^^;)。

今年は、例年のような1時間でどれだけ売り上げたとか、タイムリーで露悪的な表現で消費者の射幸心を煽るかのようなお祭りは鳴りを潜め、持続可能性や寄付などを全面に出したおとなしい内容でした。この点は日本語メディアも報じていたので、見たという方も多かったと思います。

そんな、おとなしい感じの「独身の日」も、終わってみればアリババが9.6兆円の過去最高の取り扱い額だったと報じ、「やはりすごかった」の評価で固定化させてしまった方も多かったと思います。

しかし、ロイターやCNNなどは日本のメディアが伝えた内容以外も伝えていましたので、こちらにまとめておきます。

中国の「独身の日」は低調に推移

JD.comとアリババは、記録的なオンライン売上を達成しましたが、ブラックフライデーとサイバーマンデーを合わせた売上を上回る数日間にわたる世界最大のショッピングイベントである中国の「独身の日」は、低迷しました。

「独身の日」は、「ダブルイレブン」とか「バチェラーズ・デイ」と呼ばれていましたが、2009年にアリババが独身者を祝う日として始めました。その後このショッピングフェスティバルは、人口構成の違いを曖昧にし、1日だけのイベントから11日間に拡大しました。

ロイター通信によると、アリババとJD.comの「独身の日」の売上高は1,390億ドルと推定されますが過去10年間では2桁台の成長を記録していたのに対し、加盟店全体の成長率は1桁台にとどまりました。

コンサルティング会社EYのシャーリー・ウー氏は、ロイターに対し、「ダブルイレブンの魔法は薄れつつある」と述べています。

今回の業績悪化の原因は、中国におけるIT企業に対する継続的な取り締まりとそれに伴う規制の強化、サプライチェーンの障害による在庫の減少、経済の不安定さに対する消費者の懸念など、さまざまな問題が重なっていることにあります。

アリババの副社長であるヤン・グアンは、プレスリリースの中で、「今回の11.11 グローバル・ショッピング・フェスティバルでは、中国のダイナミックな消費経済を反映した安定した質の高い成長を実現し、社会的責任を果たすためのプラットフォームとして、11.11の力を活用しました。今年のフェスティバルは、持続可能な未来を築くためのコミットメントの一環として、意味のあるマイルストーンとなりました」と述べてはいる。

今年のイベントには、過去最高の29万ブランドと9億人の消費者が参加し、78の企業のGMVが昨年の10倍以上に増加しました。2,000社以上の小売業者が専用のスペースで、公式のグリーン製品認証を誇る50万点の製品を販売したとされている。

おわりに

コロナ禍でECは世界的に急成長したのですが、その中で中国の伸び率は実はやや鈍いのです(これはセミナーで話しています)。

急激に成長したので、そろそろ頭打ちになってきたのかなと考えています(そうは言っても、未だに世界のEC取引の半分近くを占めてはいるのですが)。それが、独身の日でも現れてきているのかなと思っています。

そんなタイミングで公的機関の支援でアリババで伝産品を100万円売り上げたとか、地元産品が60万円売れたというニュースがありました。記事を読むとインフルエンサーを使ったライブコマースで売り上げたとありました。

記事中の写真には、かなり有名なインフルエンサーがいました。その人のギャラを考えると、上記の売上では赤字だったとしか思えません。インフルエンサーのギャラは公的機関が負担しているでしょうから、参加企業は今回に限っては純粋に利益をあげられたでしょうが、自力運営になったら黒字化は難しいのではないかと思います。

部分参照:JD.com, Alibaba Sales Not Enough To Boost China’s Sluggish Singles Day

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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