こんにちは。ジェイグラブの横川です。
この記事は短いですが、非常に示唆に富むものが含まれています。まずは御覧ください。
EC業者はオンライン検索の期待に応えられていない
消費者がオンライン検索に期待するものと、EC業者が提供するものとの間には、大きな隔たりがあります。
顧客体験プラットフォームNostoが北米と英国の消費者 2,000人を対象に行った調査によると、消費者の69%がサイトに入るとすぐにECサイトの検索バーにアクセスしますが、80%がサイト内検索体験が期待にそぐわなかったため離脱していることがわかりました。また、小売業の回答者の99%は検索結果が適切であると考えていますが、消費者の69%は、しばしば関連性のない結果を目にすると答えています。
この結果は、実際のサイトテストによって裏付けられており、81%のECサイトが、買い物客が2単語で検索した際に関連性のない商品を表示することが明らかになっています。
同様に、消費者の70%が、検索結果がパーソナライズされていれば購入する可能性があると答えているにもかかわらず、EC事業者の66%が、パーソナライズされた検索結果を提供できていないと回答しています。
16-24歳の24%、25-34歳の29%が、サイト内検索がパーソナライズされていない場合、サイトから離脱する可能性があると回答しており、パーソナライズは若い買い物客にとってさらに重要です。
また、事業者の10人に6人は、顧客が探している製品に関連するコンテンツ(記事やFAQなど)がサイト内検索で表示されないことを認めていますが、ほぼ同じ割合(59%)の消費者がこの種のコンテンツを閲覧した後に購入する可能性があると回答しています。
さらに、この調査では、EC業者が、消費者にとって簡単で齟齬のないサイト内検索体験を実現するために十分な努力をしていないことが示唆されています。消費者の10人に3人近く(27%)が、検索結果があまりにも多くの選択肢を示し、適切なフィルターを使って検索を絞り込むことができなかったため、サイトを離れたことがあると回答しています。
一方、26%の消費者は、検索結果に在庫切れの商品が表示されたために離脱し、25%の消費者は、検索結果の読み込みが遅すぎたために離脱しています。半数以上(56%)が、ECサイトの検索はより迅速であるべきと考えています。
適切なフィルターを使って検索結果を絞り込めないことは、消費者の30%がサイト内検索の不満点トップ3のひとつに挙げています。しかし、EC事業者の56%は、検索対象の製品に特化したこの種の動的フィルタリング機能を提供していないと答えています。
Eコマース小売業者も痛みを感じている
最後に、この調査では、ほぼすべてのEC事業者がオンライン検索の問題点を経験しており、95%が現在の検索ソリューションで少なくとも1つの問題点を経験していることが明らかになりました。最も大きな問題点(29%)は、高度な商品データ処理の欠如で、複雑なクエリに対応できず、適切な検索結果を提供できないことでした。
その他の目立った問題点としては、「改良に時間がかかりすぎる」(26%)、「適切な結果を得るために必要な手動設定が多すぎる」(25%)などが挙げられます。
参考:Retailers fail to meet online customer search expectations
おわりに
この調査結果は、どちらかというと買い手目線からの調査結果が多いので、売り手目線で見るとかなり厳しい内容になっています。
しかし、7割が検索窓に行くということがわかりますので、サイトのデザインで検索窓の位置をむやみにいじらないほうがいいということがわかります。
なお、4人に1人が「検索結果に在庫切れの商品が表示されたために離脱」したと回答していますが、これは戦略的にわざと売り切れ商品を見せるという手法もあるので、在庫切れしたら即座にサイトから消さないと行けないと思う必要はありません。
以前、このブログにも書きましたが、データというのは知って大いに役立つものと知ったところで意味のないものというのがあり、データ偏重主義というのも融通の利かない、柔軟性にかける失敗パターンに当てはまることを何処か片隅にご記憶いただけると助かります。