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越境ECブログ

オンライン・トゥ・オフライン(O2O)はEコマースに革命をもたらす可能性

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

海外の先進的な情報に遅れまいと常にウォッチしている身としては、この情報が今頃でてくる時点で相当に遅いと感じています。

実は、このオンラインとオフラインの融合が今後のECのトレンドになるだろうという予測は、コロナ禍真っ只中の2021年秋ごろには既に言われており、ジェイグラブ株式会社は2021年9月には水面下で動き出し、2022年2月にオンラインとオフラインを融合させたジェイグラブモールをローンチさせました。

ジェイグラブモール
ジェイグラブモールの概要説明

そして、このプロジェクトは単にオンラインとオフラインを融合させるだけでなく、また、これから紹介する記事にあるアイディア以外にもまだまだネタはあり(それらはここではまだ発表しません)、これからも様々なモノ・コトを吸収して成長していきます。


オンライン・トゥ・オフライン(O2O)はEコマースビジネスに革命をもたらす可能性がある

この20年間で、オンラインショッピングは、小売の世界において、異常なくらい大きな力へと進化を遂げました。アマゾンやウェイフェアなどのサイトを利用すれば、顧客は必要な商品を素早く簡単に購入でき、数日で玄関先に届くのです。

しかし、オンラインショッピングには欠点もあります。例えば、小売業者にとって、オンラインの購入者からより多くの収益を得る可能性は限られています。オンラインショッピングを利用する人は、通常、買い物する時点で既に商品を決めているため、店舗で買い物をするように見て回りながら買うというようなことはあまりありません。

また、オンラインショッピングは、対面でのショッピングのような個人的な体験から遠ざかっています。おしゃべりな販売員と1対1で会話することもなければ、購入前に服を試着したり、本に目を通したりする機会もないのです。

今、企業はオンラインとオフラインのショッピングのギャップを埋め、新しい体験、すなわちオンライン・トゥ・オフライン・コマースを作り出そうとしています。

オンライン・ツー・オフライン(O2O)コマース: 定義

フォーチュン500社に顧客体験に関するコンサルティングを提供するMJVイノベーション社のCEOであるモーリシオ・ヴィアナは、O2Oについて、オンライン消費者が地元の小売店でさらにショッピング体験をすることを促すように設計されたマーケティング戦略であると説明しています。

O2Oは、オンライン販売戦略と対面での体験を組み合わせたもので、バーチャル状態の消費者に対し、デバイスを置き、興味のある店舗の小売店に足を運んでもらうことを目的としています。

O2Oとオムニチャネル戦略を区別することが重要です。

オムニチャネルとは、オンラインとオフラインで異なるプラットフォームを通じて顧客とコミュニケーションすることです。O2Oはそれとは異なり、特に消費者に地元の店舗に直接足を運んでもらうことを推奨しています。

O2Oは、いくつかの異なる方法のいずれかで発生する可能性があります。いくつかの例を見てみましょう。

ボピス(Buy Online, Pick-up In Store/オンラインで購入し、店舗で受け取ること)

企業によっては、オンラインで注文し、最寄りの店舗で商品を受け取るという、合理的な買い物のプロセスを推奨しています。

ネットで商品を選ぶことができる食料品店などでは、よく見られるシステムです。店内の販売員が商品を集めて袋詰めしてくれるので、時間の節約にもなり、衝動買いも防げます。

しかし、この方法は食料品店に限ったことではありません。ベストバイやメイシーズなど、他の小売店でも同じような体験ができます。

オンラインで購入し、店舗で返品する

ネットで購入した商品が、自分のニーズに合っていなかったということがあります。その場合、返品は郵送か最寄りの店舗に持ち込むかの2択になります。

ヴィアナは、「ネットで購入し、店舗で返品する」という選択肢は、小売業者にとって特に有利だという。

「店舗で返品した消費者は、郵送で返品した場合ではできない事ーー店舗で見た他の商品を購入する可能性ーーがあるため、企業の多くはこれを許可しています」と彼は言います。

例えば、ノードストローム(アメリカの百貨店)でランニングシューズを購入した消費者を考えてみましょう。

靴が届いたとき、その靴のサイズが合わないことに気づきました。そこで、近所のノードストロームを訪れ、正しいサイズに交換することにしました。その店で、アスレチックウェアが売られていることに気づき、ジョギング用のショートパンツとTシャツを数枚購入する、など。

O2Oのメリット

O2O戦略には様々なメリットが考えられますが、代表的なものとして以下の3つが挙げられます:

1.カスタマーエクスペリエンス

Googleによると、61%の消費者が、実店舗のあるブランドでの買い物を好むという。

なぜか?それは、顧客体験が向上するからです。店舗を訪れれば、販売員からサポートを受けたり、商品を実際に見ることができます。

顧客体験を向上させるために、店舗はオンラインと実店舗を組み合わせた戦略をとるべきで、消費者はさまざまな商品の詳細を知ることができ、モバイルアプリを使用してロイヤルティポイントを利用することができる。

2.リーチ

Eコマース・プラットフォームは、その幅広いリーチを活かして、消費者を自社のオンラインストアに呼び込むことができます。リテール・ドライブによると、約87%の消費者がインターネットを使って商品を調べたり、レビューをチェックしたりして、最適な買い物をするように心がけています。

オンラインショップは、店舗での買い物を促すために、商品に関する質の高い情報を提供する必要があります。そうすれば、顧客が小売店に直接足を運ぶ動機がより高まります。

3.ロジの削減

O2O戦略は、物流コストの大幅な削減を実現することができます。通常、小売店が新しい店舗をオープンすると、物流コストは増加します。

小売業者は、在庫を地域ごとに分け、店舗スペースの何割かを、以前にオンラインで販売した商品の保管に充てることができますし、そうすべきです。

適切なO2O: アマゾンの場合

近年、アマゾンはオンライン・プラットフォームを補完するために小売店の出店を始めています。ホールフーズとアマゾン・ゴー・ストアは、アマゾンの顧客に対面販売という選択肢を提供するようになりました。

両店舗とも幅広い商品を扱っており、顧客はオンラインで注文し、最寄りの店舗で受け取ることができます。アマゾン・ゴーでは、消費者は財布を出したりクレジットカードを提示したりすることなく、アマゾン・アカウントで直接支払うことができます。

アマゾンは、より良い顧客体験を提供するために、巨大なオンラインストアフロントを実店舗で補い、ショッピングプロセスを合理化しています。

O2Oは来るべきECの予兆である

アマゾンをはじめ、O2O戦略に着手した小売店の大成功は、消費者にとって対面での買い物が依然として重要であることを物語っています。今後、O2Oの選択肢はさらに増えていくでしょうし、両者の利点が消費者に理解されるようになるでしょう。

参考:Online-To-Offline (O2O) Could Revolutionize E-Commerce Business


おわりに

オンラインとオフラインの融合についてはショッピファイのCEOも「テレビ」くらい当たり前の風景になると言っています(下記、関連記事参照)。

記事ではアマゾンの事例を上げています。たしかにアメリカではアマゾンは実店舗を始めました。そして面白いのは、実店舗からスタートしたウォルマートがEC部門も開始し、アマゾンを猛追しているということです。オンラインから始めたか、オフラインから始めたか、違いはあれど最終形態が似かよるというのが非常に面白いです。

そして、20年以上アマゾンのライバルであったイーベイはどうしたかというと、イーベイもアメリカでは実店舗を出しました。ただ、アマゾンとそっくり同じことをしても仕方ないので、スニーカーとか、トレーディングカードとか、専門店を立ち上げています。

さて、ネットの世界は出遅れが最大の敗因になるため、2年前には言われ始めたトレンドに完全に乗り切ったジェイグラブモールですが、冒頭に書きました通り、まだまだ隠しているネタがあります(まだ公表しません)。この記事で触れているアイディアなどはまだまだ序の口です。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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