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百貨店と化粧品と越境ECについて

新型コロナウイルスでインバウンドの落ち込み、日常生活の移動の制限など、諸々の動きで悲観的な感覚が支配的ですが、あまり個人的には悲観的でない、越境ECコンサルタントの横川です(自身の感染の不安がないとういう意味ではなく、越境ECがこの逆境の中でも可能性が見いだせると考えているからです)。

本日は海外の百貨店とEC、そして化粧品について様々な情報をまとめて書こうと思います。

特にアメリカの事情を中心に書きますが、なぜかというと個人的な経験から米国で起きたことは数年以内に日本でも同じような現象が起きてきたからです。つまり数年後のために今から戦略を練るのに良いのではないかと考えています。

美容業界の主なプレーヤーはこの10年で激変した。

現在アメリカでは、化粧品は百貨店よりアルタ・ビューティーやセフォラなどのチェーン店や専門店が牽引しています。これらの専門店の躍進はSNSでした。SNSでは定評のあったエスティローダーに果敢に立ち向かい、数十億ドルブランドに成長させ、同時に化粧品の主なアンカー(顧客との接点)だった百貨店が衰退しました。

まだまだアメリカの美容、パーソナルケア市場は延びると予測されており、2022年までに52%、4300億ドルに伸びると言われています*1。

専門店の躍進は消費者の求めるものにフィットした。

アルタ・ビューティーが躍進したのは、メイベリンやロレアルなどのようなドラッグストア・ラインから、アーバンディケイやベネフィットなどの高級ブランドまで取り揃えているワンストップという特徴と、自然・健康というオプションを商品選択の際のポイントに入れる消費者の動向を押さえたことです。

口紅などのカラー・ラインナップの多いものは在庫損失を抱えるリスクもあるため、近年は押さえ気味にし、自然・健康路線を押し出したようです。

また、LMVHグループのセフォラも知的好奇心の高いユーザーが多いことに着目し、原料の透明性を保証したクリーン・ビューティーに力を入れ始めました。主力はフェイスマスクや保湿剤といったセルフケア製品で、過去10年でスキンケア製品は48%伸びたようです。

エグゼクティブ・ディレクターのラリッサ・ジェンセンによれば「消費者は価格で購入を決める傾向は減少している」とのことです。また、地球環境への関心の高さからマイクロプラスチックが含まれるものは敬遠され、天然成分、有機成分のあるものが好まれるようです。

アメリカの百貨店は変化を望んだ。

日本でも百貨店の苦境を伝えるニュースをよく目にするようになってきました。アメリカではメイシーズが大規模閉店を始めたり、バーニーズ・ニューヨークが営業を終えたり、ドイツのカールシュタットが民事再生手続きを始めたりと海外でもやや暗い話題が多くなっています。

原因は、最速で効率的な買い物体験を求める傾向の高まった消費者が百貨店よりECを選ぶようになったからです。美容ジャンルで比較しますと、2013年から現在まで百貨店の売上は6%増加しましたが、ECは150%以上増加しています*2。

アメリカの百貨店を追い詰めたのは主にAmazonですが、このAmazonは現在スタイリストやメークアップアーティスト専用製品を取り扱うプロ向け美容室を立ち上げるなど、既存店がやってもおかしくない企画を次々と打ち出しています。

こうした流れを受けて米国の百貨店のノードストロームは、ヘアスタイリングサービスであるドライ・バーやアナスタシア・ビバリーヒルズなどのミレニアル世代に人気の化粧品企画を立ち上げ、マンハッタンの旗艦店で2フロアをビューティー関連で埋め尽くす戦略で刷新しました。

この刷新企画では、タッチスクリーンを使用して新しいフレグランスを試すことができるインタラクティブなフレグランス・ファインダーなどのデジタル・エクスペリエンスも備え、その人に合った好きな香りに導きます。さらにマシンにサンプルを噴霧させることもできるようにしたようです。

その上でECとSNSです。ノードストロームのエグゼクティブ・バイスプレジデントのジェマ・リオネロは、化粧品を購入するユーザーの57%はモバイルを駆使して購入していること、更にそのうちの43%は2~3店舗モバイルを持って移動しながら選んでいることを受けて「別のチャネルでビジネスを考えるのではなく、オンラインと実店舗の両方で総合的な体験を提供し、デジタルとフィジカルを結び付けるつもりです」と述べています。

ECの世界の変化はもっと激しいです。2019年、Amazonは中国2位のマーケットプレイスである拼多多(Pinduoduo、ピンドゥオドゥオ)にオンライン店を出すと発表。東南アジアで高級ブランドを中心に取り扱うECモールのreebonzはeBayにストアを出すと発表しました。

この意味はおわかりでしょうか。モールがモールに店を出すということです。A百貨店がライバルのB百貨店のテナントを借りて進出すると言っているようなものです。そのくらい世界のプレーヤーたちはなりふり構っていません。

そうした流れを受けて、オーストラリアの老舗百貨店であるMyerはeBayにストアを出しています。百貨店だからというプライドにしがみついてはいられないということでしょう。

ブランドや百貨店のプロモーションを信用しない消費者たち。

ここまで専門店の躍進と百貨店の苦闘と努力を見てきましたが、これらの裏側で暗躍していたのはSNSでした。たとえば、現在は資生堂に買収されているドランク・エレファントは、買収される前からSNSでのブランディングに成功しており、SNSだけで3500万ドルの広告価値を誇っていました*3。

全体的に見ても美容系ジャンルはSNSだけで広告価値を13%押し上げていたようです*4。そうした影響もあり、アメリカの18〜34歳の女性の63%が、ブランドや百貨店自体が行った広告よりも、インフルエンサーの意見を信頼すると答えています*5。

また化粧品に関してはインフルエンサーの力が強く、10代の80%がインフルエンサーから美容のヒントを得ていると答え、18~34歳まで幅を広げても58%がインフルエンサーの意見を参考にして購入したと答えています*6。

では、美容ジャンルで強いSNSはどれでしょうか。答えは、Instagramであるという結果が出ています。10億人いるユーザー数のうち50万人が化粧品に関するアクティブ・インフルエンサーであるというデータが提供されています。そこに海外企業は彼らに100~数千ドルをプロモーション費として費やしているとのことです。

以上が、海外の化粧品ECと百貨店事情になります。ここにかなり色々なヒントが隠れているのではないかと思います。米国で起きたことは数年後に日本でも起きるというのが個人的な経験則です。これをヒントに戦略を今から練るのが得策なのではないかと思います。

*1…Alied Market Research Report
*2…Euro Monitor Report
*3…Tribe Report
*4…Euro Monitor Report
*5…Edelman Report
*6…Piper Jeffary Report

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