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越境ECブログ

アマゾンでの販売は中小企業にとって重要だが、儲からないかもしれない

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

アマゾン関係者の目にとまったら怒られそうなタイトルですが、これはアメリカのEC情報サイト「デジタルコマース360」が掲載した記事のタイトルをそのまま訳したものですので、アマゾンさん、文句があったらそっちに言ってねw。記事を読めばアマゾンを批判ばかりしていませんが。

弊社としては越境ECを検討している企業がアマゾンを希望している場合、そのままGOサインが出せる企業か、そうではないかを見極めます。というのも、越境ECを検討する際に、ある程度調査をした結果アマゾンを検討しているという場合は、リスクもある程度は把握していると思われるのでいいのですが、少しは調べたと言いながら、話を聞いていくと、「越境ECを検討する前からアマゾンは知っていたから」程度の、そんなの調査のうちに入らない、どうしようもない理由でアマゾン指定している事業者もいるからです。

今回紹介する記事は、かなり冷静に分析されており、「アマゾンは知っているから」といった低レベルな意思決定をしてしまっている企業はよく読んでほしいところです。同時に私もこれは意外だ!と思った、日本企業にとっても朗報かもしれないという情報もあります。


アマゾンでの販売は中小企業にとって重要だが、儲からないかもしれない

「アマゾン・ドット・コムのオンライン・マーケットプレイスでの販売は、パルースブランド(米ワシントン州の経営農場でサステナブルを前面に出している)にとってオプションではなく必需品である。」とCEO兼創業者のサラ・メイダーは言う。

ワシントン州にあるこの家族経営の農場は、豆類と穀物を消費者に直接販売(DTC)している。新型コロナの大流行により、パルースは「巨大な急成長パターン」に陥った。アマゾンを通じた販売に重点を置くようになり、追いつくためにいくつかの注文チャネルを閉鎖せざるを得なくなった。

パルースは、フルフィルメント・バイ・アマゾン(FBA。アマゾン倉庫)を利用し、一部の注文を自社で処理するハイブリッド配送モデルで運営していた。このシステムでは、需要を満たすのに十分なスピードで拡張することができなかったとサラは言う。

「私たちは、セミ・ロードを配送センターに出荷し、その配送センターから直接配送できるソリューションが必要でした。…私たちは注文の需要に追いつくことができず、十分な速さで在庫を確保することができませんでした」と彼女は言う。

アマゾンと直接取引することで、配送センターと消費者への注文発送の間に遅れが生じたとサラは言う。アマゾンを否定的に言いたくはないが、「彼らはある分野では本当に素晴らしい」し、パルースの売上を「再定義した」と彼女は言う。

アマゾンで販売するメリットとは?

アマゾンに出店しているだけで、一部の店の間では売り上げに貢献することがある。

「私たちにとって、プライム・バッジを守ることは重要です」と、プライム会員には1日または2日分の送料が無料であることを示す、アマゾンの一部の商品の表示について、サラは「顧客は1~2日の無料配送を求めています。」と語る。

プライム・バッジは、そのような要求が満たされるという確信を消費者に与える。

アマゾンは、デジタルコマース360による北米のオンライン小売業者の売上高ランキング「トップ1000」で第1位を獲得。また、アマゾンは、デジタルコマース360によるオンラインマーケットプレイス上位100社のランキング「グローバル・オンライン・マーケットプレイス・データベース」でも第3位にランクされている。

デジタルコマース360とビズレート・インサイツが2023年5月に1,039人の消費者を対象に実施した調査では、オンラインショッピング利用者の44%が、少なくとも毎週オンラインマーケットプレイスから購入していると回答している。回答者の76%は、過去1年間にアマゾンから購入したと回答している。回答者の46%は、アマゾンで購入した際、その商品がアマゾンそのものかアマゾンに出店しているマーケットプレイスの販売者か気づかずに購入したと回答している。

これは、アマゾンで販売する可能性のあるパルースのような小売業者にとっては朗報です。なぜなら、消費者は必ずしも巨大オンライン企業が販売する商品だけを探しているわけではないからです。さらに良いニュースとしては、オンラインショッピング利用者の52%が、聞いたことのないブランドや販売者からも購入したいと回答している。29%はよくわからないと答え、反対はわずか19%だった。

参考:Selling on Amazon is key for SMBs, but it might not make money


おわりに

やはり、アマゾンの強みはプライムサービスであり、FBA利用であることがよく現れています。その分手数料はあがってくるので、手元にどれだけ残るのかという計算は慎重に行う必要があります。なお、先日記載したブログ記事のように、世界的に景気後退局面で価格競争がはびこっているので、値上げされた手数料の分を売価に転嫁して値上げすると、売れにくいという側面もあります。
参考:中国からのeコマース価格競争が既存企業を圧迫

それと、繰り返し書いていますが、注意が必要なのは、税務関係や各国政府の製品認証といった側面では、イーベイなどのようなアマゾンのライバルECモールよりハードルは高いですので、アマゾンで売ることが本当に向いているのかなど、事前にきちんと確認することが必要です。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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