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越境ECブログ

アラブ諸国はなぜECの恩恵を受けてないのか/越境EC

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

日本製は価格の高さから富裕層にしか売れないと思い込み、富裕層=オイルダラーという短絡的な図式で中東に進出したいという問い合わせを受けることがあります。しかし、中東で大成功しているという例はあまり聞きません。それにはなにか理由があるはずです。

今回、ヨルダン・タイムズが「なぜアラブ世界はECの恩恵を受けていないのか」という記事をアップしていましたので、抜粋してご紹介します。

基本的にこの記事は中東の人の目線から書かれています。中東に住む現地の人から見れば、私達は外国人ですので、ところどころ外国人視点に読みかえる必要があります。

なぜ、ECはアラブ諸国にとって有益ではないのか?

何世紀にもわたって、カイロの街はラマダンを祝う伝統的なランタンで彩られてきました。しかしここ数十年、国産のランタンは中国製の安価なものに取って代わられました。

MENA(ミーナッ=中東・北アフリカ地域のこと)では、新しいテクノロジーによって、地域内外の貿易がますます円滑に行われるようになっている。アリババ、イーベイ、アマゾンなどのデジタルプラットフォームは、国境を越えてサービスの幅を広げています。しかし、(MENAについては)地元企業を厳しい、時には不当な競争にさらしています。

アラブ諸国の多くは、化石燃料(域内総輸出の56%を占める)やその他の天然・一次資源を主に貿易しており、デジタル市場の台頭によるプラスの影響は少ない傾向にある。また、アラブ諸国は輸出用の中間製品をほとんど生産していないため、グローバルなバリューチェーンにうまく組み込まれていません。このような弱点があるため、国内企業がデジタル貿易や電子商取引から利益を得る機会が少なくなっています。この地域の電子商取引の約80%が湾岸協力理事会(GCC、サウジ、UAE、バーレーン、オマーン、カタール、クウェート)6カ国とエジプトに集中しているのも不思議ではありません。

確かに、アラブの消費者はデジタル市場の恩恵を受けており、アラブの消費者層は急速にデジタル化が進んでいます。2012年から2017年にかけて、同地域のデジタルメディアユーザーの割合は10%未満から30%以上に増加し、その後、この傾向はパンデミックとともに加速しています。

しかし、このデジタル普及の急増は、主にインターネット速度が速いスマートフォンによるもので、アラブ首長国連邦とサウジアラビアが中心で、この地域の電子商取引市場の60パーセントを合わせて占めています。石油資源のない貧しい国々では状況はかなり異なっています。世界銀行の最近の報告書によると、所得分布の下位40%のチュニジア人は、高速インターネットを購入するために所得の40%以上を費やす必要があるとされています。また、チュニジアだけではありません。アルジェリア、ジブチ、モロッコ、シリア、イエメンでは、60%以上の人が固定またはモバイルブロードバンドサービスを購入することができません。

これまでのところ、ECの恩恵を受けたのは、主にGCCを拠点とする大規模小売業者とその海外パートナー、そして高所得者層である。そして、これらの小売業者は、有機的に、あるいは提携を通じて、新しい商品の品揃えで市場を拡大してきました。例えば、アマゾンが買収したUAEのSouq(スーク)や、イーベイと提携しているNoon(ヌーン)は、ウェブサイトや品揃え、支払い方法をローカライズし、MENA市場に数百万の新しい消費財を導入し てきた。

しかし、これらのプラットフォームで販売される商品の大部分は、海外の販売者、主に中国からのものである。中国貿易省によると、2020年の中国の対エジプト輸出額は136億ドルで、前年比11.8%増となったが、エジプトから中国への輸入額は9億2千万ドルで、7.8%減となった。このように、デジタル市場、特にアマゾンやアリババなどがアラブ諸国に与える影響は、全体としてポジティブというよりもネガティブに映るようだ。

一方で観光や音楽ストリーミングプラットフォーム、アラビア語のオリジナルシリーズを導入したNetflixは、うまくいっている。

アラブの消費者層は急速にデジタル化しているが、生産者層の大半はそれに追いついていない。その結果、この地域の多くの企業が、海外のサプライヤーやサービスプロバイダーに顧客を奪われつつあります。アラブの消費者を雇用している地元企業はいずれ廃業に追い込まれるため、この傾向は持続不可能です。
参考:Why is not e-commerce benefitting the Arab World?


おわりに

個人的にはeBayをよく使っています。私の場合、普段売っているものがアラブ世界にそぐわないので、滅多に売れませんが、他のお客様のサポートでは中東エリアからの注文が割合多く入っている方もいます。内容的に中東の人たちの考え方に合う提案をすれば、十分可能性はあります。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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