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越境ECブログ

ECの返品は減りそうもないとの報告書が

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

物事にはすべてメリットとデメリットがあります。何かを始めて一つの教訓を得たことで、路線を修正することは良いことですが、Aがダメだったからと言ってZに振り切ったり、Aが良かったからと言ってB以下をおろそかにしてAだけに集中したりという、バランスを欠く戦略はたいていつまづきます。

AがダメでZに振り切った場合、Aの問題点は改善できますが、今度はZのデメリットをモロに受けるからです。何事もバランスです。

越境ECの場合、物流面は非常に悩ましい問題です。消費者目線に立って、便利さを追求すると、環境問題に理解がないと思われたり、気軽に何でもできる分、返品なども気軽にされてしまいます。実際、弊社のクライアントでも中国に物が売れている事業者さんのデータを見ると、キャンセルも他の地域よりも非常に目立っています。


電子商取引の返品が減速する兆しなし、との報告書

ウィストル社の最新レポートによると、消費者と小売業者が手間のかからないショッピング体験を優先しているため、ECによる返品の増加は2024年になっても衰える気配がないことが明らかになった。

第三者機関の調査に基づく同レポートによると、世界の返品輸送市場は今後5年間で2,500億米ドル成長し、9,545億米ドルに達すると予想されている。

また、EC事業者は、返品管理プロセスを合理化し、返品にかかるコストを最小限に抑えるために、これまで以上に努力している。

ウィストル社のマーケティング・コミュニケーション・ディレクターであるメラニー・ダーバルは、「オンライン小売業者が返品を効果的に管理しなければ、売上と収益性に大きな影響を与えるでしょう。 また、より簡単で迅速かつ効率的な返品業務を提供する小売業者に競争上の優位性を奪われるリスクもあります。 新しいシステムと作業方法を採用することで、返品件数を減らしながら、収益と顧客満足度を高めることが可能です。」

英国における主な調査結果
eコマースの返品: 「英国の消費者動向とベストプラクティス」レポートによると、英国のオンラインショッピング利用者の71%が商品を返品しており、最も返品された商品は衣料品(27%)、次いで靴(15%)、バッグ・アクセサリー(14%)となっている。

英国市場に関するその他の主な調査結果は以下の通り:

  • オンライン小包の返品は通常、店舗での返品より3ポンド(3.79米ドル)高い
  • オンライン消費者の約3分の1が商品を受け取っていないと偽っている
  • オンラインショッピング利用者の38%が、オンライン購入品の返品に自信が持てるようになったと回答している
  • 英国のオンラインショッピング利用者の65%が、いかなる場合でも返品は無料であることを期待している
  • 57%の消費者は、環境に害を与えない方法で生産・輸送された商品であれば、より高い金額を支払ってもいいと考えている

参考:E-commerce returns show no sign of slowing, report shows


おわりに

この記事は英国のものですが、他の地域でも特に大きく結果が異なるということはなさそうです。

興味深いのは、返品は無償であるべきと考えつつも、環境を考えた商品ならば相場より高くても構わないと考えている点です。この2つはだいぶ意識の持ち方の方向性が異なるので、両方に重複している人はそう多くないような気がしますが。

いま越境ECで一番の課題は物流です。送料の価格上昇が多くの企業を悩ませています。ただ、別の資料によれば、高速配送とラストワンマイル配送が最もCO2排出が多いようですので、買ったらすぐに届くというスピードを敢えて犠牲にして地球環境を考えているという主張の仕方は、欧州の消費者には刺さるのではないかと思います。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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