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越境ECブログ

香港で関係機関・企業が協力して日本産ホタテをアピール

9月23日付けの産経新聞で、

東京電力福島第1原発処理水の海洋放出をめぐり、中国が日本水産物の輸入を全面停止したあおりを受け、北海道のオホーツク地方では名産ホタテの出荷が停滞。在庫が積み増し、水産加工会社を中心に影響が深刻化している。

産経新聞

と読みました。

農林水産省が発表した2022年の「農林水産物・食品の輸出額」によると、例年輸出額1位だった酒類(ウイスキー、日本酒)を大きく引き離して、昨年はなんとホタテの輸出額が上回りました。

しかしその約8割とも9割とも言える輸出先が中国でしたから、中国の日本水産物の輸入全面停止は日本にとっては深刻な事態です…。

香港で関係機関・企業が協力して日本産ホタテをアピール

東京電力福島第1原子力発電所のALPS処理水放出の影響も懸念される日本産ホタテについて、在香港日本総領事館、ジェトロ香港および日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)で構成される香港輸出支援プラットフォーム(2022年9月30日記事参照)は、香港日本料理店協会や現地小売企業などと連携したプロモーションを実施しています(注)。

9月14日には、在香港日本総領事館やジェトロ香港事務所も実行委員会のメンバーである、日本秋祭りin香港の記者会見がおこなわれました。

実行委員長の岡田健一駐香港総領事のほか、主要イベントの主催団体代表者などが集まり、それぞれのイベントの見どころを紹介しました。

香港日本料理店協会の氷室利夫会長は、ホタテのマスコットキャラクターとともに壇上に立ち、日本産ホタテのPRをおこないました。記者会見後には、香港輸出支援プラットフォームと協力し、ホタテの試食会をおこないました。

JFOODOは9月15日、香港の日系大手小売店であるDON DON DONKI香港とともに、日本産ホタテのプロモーションを開始。

同プロモーションは、ホタテのさまざまな食べ方の普及を目的としており、店舗内にはホタテコーナーが設けられ、寿司や刺し身に加え、さまざまな味付けのボイルホタテ、ホタテの串焼きや弁当などが販売されました。

なお今後、合計10店舗で約1カ月間、週末(金土日)に試食セッションを開催する予定です。

ホタテのプロモーションを行うDON DON DONKI店舗の様子(ジェトロ撮影)/出典:JETRO

ジェトロ香港事務所および香港輸出支援プラットフォームでも、10月以降に開催されるイベントや展示会などで、ホタテに焦点を当てた支援や出展を予定しています。引き続き、ホタテをはじめとした日本産水産物などのプロモーションに取り組んでいきます。

(注)香港政府は、8月24日から一部の水産物に係る輸入規制を実施しており、輸出入の前に最新情報を確認することが重要となる(2023年8月24日記事参照)。

出典:JETROビジネス短信

まとめ

他のメディアに目を通すと、

「日本産ホタテ、米国が輸出ルート転換支援 中国を迂回」

在日米国大使館は中国による日本産水産物の全面禁輸を受け、農林水産省と連携し、水産加工品について中国に依存しない新たな流通ルートづくりを支援する。日本の水産業者にタイやベトナム、台湾などにある米認定の加工施設の情報提供を始めた。

日経新聞

「ホタテ10万食分を無償提供へ 北海道・森町が学校給食用で」
東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡って、中国による日本産水産物の全面輸入停止で打撃を受けたホタテ事業者を支援しようと、北海道森町が町内の加工会社から在庫を買い取り、希望する自治体に学校給食用として約10万食分を無償提供する方針を固めた。

毎日新聞

このように、現在国内外の多方面からホタテをはじめとする水産物の流通支援がおこなわれています。
ホタテの輸出の激減が我が国にとってどれだけ深刻な問題なのか、改めてうかがい知ることができます。

今回はホタテにフォーカスした内容をお伝えしましたが、ところが現在、日本から中国への越境ECを含む貿易は非常に厳しい状況にあります。

現在中国では、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を理由に、公には日本の水産物を全面的に厳しく取り締まっていますが、実は水産物に限らず、その他の農林産物をはじめ、果てはアパレル製品など他分野の製品でもその影響が波及しています。

日本から発送はできるこそすれ、現地の通関・入国管理で長期に渡って止め置かれ、購入者まで商品が届かないというトラブルが続発しているというのです。

中国マーケットはそのスケールの大きさから、一見非常に魅力的です。
しかしその分、今回のような出来事が起きると、跳ね返ってくるリスクも尋常ではありません。

世界は中国だけではありません。
EC市場が大きく成長しているのは、他国も同じです。
越境ECビジネスをおこなう上では、他のECモールにも視野を広げ、リターンもリスクも分散させるのが賢い方法です。

Writer 山田彰彦

山田 彰彦 代表取締役 越境ECコンサルタント eBay JAPAN創業メンバー、ヤフー株式会社コマース事業などを経て越境EC専門 ジェイグラブ株式会社を創業。越境EC歴24年。イーベイ・ジャパン公認コンサルタント、ジェトロ新輸出大国コンソーシアムEC専門家、中小企業庁「新しい担い手」越境EC委員も務める。

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