こんにちは。ジェイグラブの横川です。
中国のECというと、インフルエンサーがライブストリーミングで商品を紹介し、その間にバンバン物が飛ぶように売れていくという、日本で言えば深夜のBSのTV通販みたいな売り方が主流です。
そんな中国で発達したライブストリーミングECですが、これは欧米でも浸透してきています。日本ではあまりぱっとしませんが(たぶん顔を出すのを躊躇する人が多いということや、この手のセールトークを胡散臭いと思ってしまう人が多いせいだと思います。)
中国におけるライブストリーミング・ショッピングの進化と、それが世界規模で持つ意味
ホームショッピングネットワーク、ゲームショー、トークショー、オークションなどを統合したような、オンラインショッピング体験であるライブストリーミングeコマースは、中国で旋風を巻き起こしました。この現象は、パンデミックの影響もあり、実店舗が一時的に閉鎖されたこともあり、消費者はこの場に避難しました。しかし、1年経った今でも、中国ではライブストリーミング・ショッピングは健在です。
eコマースのライブストリーミングは、新しい現象ではありません。2017年の「独身の日」では、アリババが「See Now, Buy Now」と名付けたライブストリーミングショッピングを最新の目玉商品として押し出しました。他のインターネット企業も同様にこのアイデアに取り組んでいました。
今日、ライブストリーミングはeコマースの不可欠な要素となっており、推計によると、中国では今年3,000億ドルを生み出し、前年比で85%成長しています。これは、中国の小売電子商取引の総売上高の11.7%を占めることになります。
中国の消費者がライブストリーム・ビデオを利用する理由はさまざまです。新興ブランドの情報を得たり、商品を試したりするためにライブ配信を利用する人もいます。だからこそ、ライブ配信による商品発表会が大きなビジネスになっているのは当然のことであり、企業の経営者や専門家がノウハウを共有することが求められているのです。
それ以外の消費者にとっては、単に娯楽の一つでしかありません。多くの有名人がショッピングストリームに登場したり、ファンを利用したいブランドのためにカメオ出演したりしています。
中国では、多くのブランドがEコマースのライブストリーミングに参加しており、中には毎日何時間ものセッションを行っているところもあります。タオバオライブで最も人気のある商品カテゴリーは、女性用ファッションから始まり、化粧品、食品、家庭用品、宝石・アクセサリーと続きます。しかし、商品総額で見ると、パソコンや大型家電などの高額商品が上位を占めています。
ここで注意したいのは、ライブ配信には万能な方法はないということです。この分野に足を踏み入れようとするブランドは、消費者の期待を把握するだけでなく、この分野で他社との差別化を図るために、まず調査を行う必要があります。
中国のライブストリーミング・ショッピングに注目しているグローバル・マーケッターは、すべての要素が自国の市場に反映されるわけではないことを理解する必要があります。しかし、このフォーマットが、オフラインのオペレーションを補完し、これまで到達できなかった市場に到達し、より緊密な関係を築き、会話を弾ませ、消費者から貴重なインサイトを引き出す可能性があることは間違いありません。
参考:The evolution of livestreaming shopping in China and what it means on a global scale
中国のライブストリーミングについては、実はインフルエンサーのギャラ水増し問題などなど、他にもいろいろなカラクリはあったりします。それは、また別の機会で書くか、気になってしまった方はお打ち合わせの機会を設けるなどしましょう(中国EC熱が少し冷めてしまっても責任を負いませんが^^;)。