jGrab

越境ECブログ

最新データで見る2025年ECトレンド先どり11選

Statisticsによれば、2024年のブラックフライデーは、アメリカの消費者のオンライン消費額が、昨年の98億ドルから10.2%増の108億ドルとなり、ついに100億ドルを突破して記録を塗り替えました。世界全体では、わずか24時間で過去最高の744億ドルの消費が記録され、前年比5%増となりました。世界的にオンラインショッピングの人気は右肩上がりです。その代償としてアメリカのUSPS(郵便系)物流が崩壊しており仕分けセンターで止まったまま2週間停滞している荷物も多数ありクレーム多くなってますね ^^; )

今回は、2025年のECをリードする11のトレンドを詳しく確認していきましょう!

1. YouTubeショッピングの拡大

YouTubeショッピングは、コンテンツクリエイターが動画内で製品を紹介・販売できる機能です。2024年には「アフィリエイト・プログラム」が導入され、クリエイターが動画内で直接商品をタグ付けして、視聴者がその場で購入できるようになりました。現在はアメリカと韓国のみで利用可能ですが、インドネシアやタイ、ベトナムへも拡大中。近い将来、日本含め他の地域でも導入される見通しです。

2. 生成AIの活用拡大

AIを活用するECビジネスについては、弊社でも以前からこれらのブログでも取り上げているように、生成AIは、ブログ記事や商品説明、画像生成などに活用されているだけでなく、ECのユーザー体験を向上させる方向へどんどん進化しています。例えば、画像検索機能や購入アシスタントへの実装が進んでおり、AIを使った製品レビューの要約機能まで導入しています。

3. オンラインからオフラインへ(O2O)

O2Oモデルは、オンラインで顧客を引き付けつつ、最終的には実店舗で購入を促す戦略です。弊社でもアメリカ、シンガポール、カンボジアでショールームストア(実店舗)で運営していますが、大規模な購入や追加購入が増える傾向もあり、在庫のある店舗購入モデルがあらためて注目されています。オンライン購入後に店舗で商品を受け取ったり、返品できる仕組みも、顧客との接点を増やす方法として普及しています。

4. ECにおけるAR(拡張現実)の普及

ARコマースの可能性については、以前、このブログでもご紹介しました。AR技術は、家具や化粧品などの製品が実際にどのように見えるかを購入前に確認できる機能を提供しており、2025年のECでも重要な役割を果たすと言われています。ARを導入することで、コンバージョン率が平均27%向上、返品率の削減にもつながると報告されています。

5. サブスクリプションモデルの成長

2025年には、従来のデジタルサービスに加え、物理的な商品を対象としたサブスクリプションが拡大すると予想されています。このため多くのECが、たとえば、パーソナライズされた毎月のサプライズボックスや、定期的な配達などの形式のサブスクリプションモデルに商機を賭けています。顧客のロイヤルティを高め、よりパーソナライズされた体験を提供できます。

6. サステナビリティの重要性

環境に配慮したビジネスは、長期的に見て収益性が高いとされています。特にミレニアル世代やZ世代の間では、環境意識が購買行動に影響を与えるケースが増えています。再生素材の利用やカーボンニュートラル配送の導入は、2025年のECにおいても欠かせない要素となるでしょう。

7. EC市場の世界的な拡大

2025年には世界のEC市場規模が4.8兆ドルに達すると予想されています。特にラテンアメリカでは、2023年から2026年の間に22%成長し、オンライン小売売上が7000億ドルに達すると見込まれています。フィリピンも急成長しており、若い人口とデジタル技術の普及が市場の拡大を後押ししています。

世界のeコマース収益予測(単位:10億米ドル)/出典:Cyber​​click

8. インフレによる消費者行動の変化

インフレの影響は2025年も続くと見られていて、商品価格、原材料や輸送コストが増加する一方、消費者の支出は抑制される傾向です。そのため多くのEC事業者がオムニチャネル戦略を導入したり、価格が高くないデフレの国(日本など…)から、送料をかけても自国より安くて良い商品を購入できるので、越境EC利用もより一層増えていくと言われています。

9. モバイル購入の増加

2023年には世界の約80%の消費者がスマートフォンを使ってオンラインショッピングを行いましたが、2025年にはさらに増加すると予想されています。モバイルアプリの開発やソーシャルコマースの台頭が、スマートフォンでの購入をさらに促進しています。

10. 迅速な配送への期待

消費者の即時性への要求が高まる中、2025年には地域に関わらず、より速い配送が標準化される見込みです。物流と配送コストは、オンライン小売企業の収益性を左右する大きな課題でもありますが、2029年には、配送の約66%が注文当日か翌日に行われるようになると予想されています。自動化センターやマイクロフルフィルメントセンターなどの物流インフラに投資する小売業者が徐々に増えており、今後も増える見込みです。

11. パーソナライゼーションの深化

顧客一人ひとりに合わせた購入体験を提供するパーソナライゼーションは、競争優位性を高める鍵となっています。過去の購買履歴や閲覧データを分析して、最適な商品提案を行うことが、2025年のEC成功の重要な要素となるでしょう。

おわりに

これらの11のトレンドは、2025年のEC業界を形作る重要な要素とも言えます。競争が激化する中で、これらの動向をいち早く取り入れつつ、柔軟に対応することが越境ECビジネス成功への鍵となると認識しています。引き続き頑張っていきましょう!

参考文献:11 tendencias en ecommerce que deberás tener en cuenta en 2025(Cyber​​click)

Writer 山田彰彦

山田 彰彦 代表取締役 越境ECコンサルタント eBay JAPAN創業メンバー、ヤフー株式会社コマース事業などを経て越境EC専門 ジェイグラブ株式会社を創業。越境EC歴24年。イーベイ・ジャパン公認コンサルタント、ジェトロ新輸出大国コンソーシアムEC専門家、中小企業庁「新しい担い手」越境EC委員も務める。

SEARCH

CATEGORIES

ARCHIVE