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カナダポスト 労働者のストライキ継続による郵便物・小包の配送 最新状況

※カナダポストの労働者ストライキによる配送遅延の最新続報は、こちらをご覧ください。(12月19日更新)
ホリデーシーズン到来!カナダポストの配送遅延と欧州・北米の物流最新状況


11月15日から開始されている、カナダポスト(カナダの郵便局)の労働者ストライキは、12月10日時点、現在も継続中です。そのため、現在カナダ国内外で郵便物・小包の配送の受付が停止しました。現時点での配送最新状況は以下のとおりです。(※ 2024年12月13日更新情報あり)

日本郵便の対応

日本の郵便局(日本郵便)では、カナダあて郵便物の受け入れを一時休止する旨の通報を受け、当面の間、日本から同国あて国際郵便物の発送を見合わせており、差出しを控えるよう呼びかけています。また、今後の情勢によっては、引き受け済みの郵便物を返送するおそれがあるとのことです。弊社でも日本郵便でのカナダへの商品発送の受付を拒否されており、発送済の荷物も11月20日頃の受付分からどんどんと返送されてしまっています…。

■カナダあて国際郵便物の発送見合わせ(日本郵便)
https://www.post.japanpost.jp/int/information/2024/1128_01.html

なお、すでに発送手続きを済ませてしまった郵便物の取り戻しは、海外への発送業務を行う郵便局(国際郵便交換局)で発送準備が完了する前であれば可能とのこと。ただし、手数料(680円)が発生する場合がありますが、弊社でもまとめて本日戻ってきてしまいました…。

現地の民間配送業者による配送状況

現在カナダポストはストライキによって“機能停止状態”ですが、現地の民間配送業者は一部機能しているようです。

日本からも配送可能な主な民間配送業者は、以下です。
・UPS
・FedEx
・DHL(などの国際クーリエ)

しかし、現在カナダではこれらの配送業者に配送が集中しているため、一時的な限定措置を行っている配送業者もありますので、注意が必要です。12月9日時点で報じられている、これらの民間配送業者のカナダでの配送状況は以下のとおりです。

UPS

カナダポストの労働者のストライキによる業務急増に対応するため、UPSは宅配便の一部の出荷を一時停止しています。

UPSの他、カナダポスト傘下の現地配送業者Purolatorもまた、悪天候と荷物量の急増により「重要な荷物を優先する」必要があるとして、一部のパートナーに対するサービスを凍結しています。

現地の小規模なEC企業と大手運送業者の仲介役を務めている代替宅配業者eShipperは、UPSおよびPurolatorを主な運送業者としていますが、両社で荷物を送ることを一時的に停止しています。

FedEx

カナダポストのストライキが続く中、FedExは「需要の増加」に直面していると声明を出しています。これにより、FedExの現地小売店では、1回の配達につき荷物5個までの一時的な制限が導入されています。

DHL

現時点でDHLからの正式な声明などは出されていませんが、「Purolator、UPS、FedEx、Canpar、DHLのような大手運送業者は、カナダポストのシャットダウンによって残されたすべての不足を補うための準備ができていない」(引用:CTV News)との報道も出ているため、少なくともDHLでも大幅な遅延は免れないと思われます。

まとめ

追加情報として、USPS(アメリカの郵便局)もまた、ストライキを理由にカナダへの国際郵便の受け入れを一時的に停止すると発表しています。

カナダポストの労働者によるストライキは、今のところ収束の目途が立っていません。クリスマスのギフト配送で物流が最も活気づく中、カナダポストによる配送停止は国内外で甚大な影響を及ぼしています。

民間の配送業者は営業してはいるものの、すでに一部で配送の停止や制限を実施しており、今後もこのような措置を講じる配送業者も増える可能性がありますので、今後の報道に注視する必要があります。また、日本からカナダへの発送は、必要なもの以外はできるだけ避け、どうしても発送が必要な場合は上記の民間配送業者へよく確認してから発送することをお勧めします。

参考文献:
Canada Post strike update: Union ‘frustrated’ with proposals, but postal service says it has yet to see formal response(TORONTO STAR)
Purolator, UPS pause shipments from couriers amid backlog from Canada Post strike(CBC)
【12月2日更新】カナダポスト労働者のストライキ継続、郵便物・小包の配送に遅延(CISM)

サムネイル:Nathan DenetteThe Canadian Press/出典:TORONTO STAR

【追記:2024年12月13日】
12月13日現在、引き続きカナダポスト労働組合と経営陣との交渉は難航のままストライキが長期化しています。引き続き日本郵便では引き受け停止のままです。米国や欧州では、カナダ宛の荷物が返送されてきており、国際郵便配送に大幅な遅れが生じています。j-Grab Mallやクライアント様の荷物は、USPSの仕分けセンターで多くの荷物が保留や放置状態になっていますので、購入者様にご連絡をとる必要があります。Amazon.caで荷物が届かない、返金依頼なども当然ですが大量に発生しており、アカウントヘルスに多大な影響を及ぼしていますので注意が必要です。

【追記:2024年12月18日】
12月18日にカナダポスト郵便職員によるストライキが現地時間12月17日に終了した旨の報告が入りました。日本郵便は12月18日からカナダあて国際郵便物の発送を再開しています。弊社でも先ほど郵便局に行き事実確認をしましたが、無事カナダ宛の発送を受け付けていただけました。ただし、当分の間、送達に大幅な遅延が生じる見込みということで、2025年1月末までは遅延が継続するとのことです。発送してから1ヶ月程度掛かりそうとのことですのでお客様には発送後に一報連絡をしてください。こちらのブログも合わせてご確認ください。

Writer 山田彰彦

山田 彰彦 代表取締役 越境ECコンサルタント eBay JAPAN創業メンバー、ヤフー株式会社コマース事業などを経て越境EC専門 ジェイグラブ株式会社を創業。越境EC歴24年。イーベイ・ジャパン公認コンサルタント、ジェトロ新輸出大国コンソーシアムEC専門家、中小企業庁「新しい担い手」越境EC委員も務める。

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